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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル全面安!反発時期を探る展開?

懸念されていた5月米雇用統計では、失業率が9.1%(予想8.9%)、非農業部門雇用者数は5.4万人増(予想16.5万人増)が予想以上に悪い内容となったこと受けて、米景気減速懸念が加速する中、米長期金利の低下やNYダウの続落などが手伝い、米ドルは全面安の展開を余儀なくされている。
一方、ユーロ圏ではIMF、EU、ECB声明が発表され、ギリシャは財政構造改革の加速が必要であるが、新たな支援は、今後の協議に基づき7月実施見込み、経済は年末から年初にかけて安定化する見込みとギリシャ問題が一層緩和されたことを受けて、ユーロドルが反発している。
ユンケル・ユーログループ議長はEUとIMFの検証結果、ギリシャと欧州に朗報であり、ユーロ圏は新たなギリシャ支援計画を承認すする意向を示しており、また、当事国であるギリシャ首相がギリシャは責務を果たす、支援計画は成長と雇用を強化することを言及、そして、ゴンザレス・パラモECB専務理事がギリシャは債務を返済するだけの資産を保有しており、債務再編は必要ないと強調したこともユーロの追い風になっている。ただし、ギリシャ問題が一定の合意を見たものの、スペインおよびポルトガルなどの財政規模と比較して小規模であることを留意しなければならず、今回の支援策合意により、欧州圏を巡る債務問題が解消したと判断するのは時期尚早であろう。
他方、本チャート上において、5月末時点ではドル円は81円前後、そして、ユーロドルは1.43前後でニュートラルになっていたが、今回のドル安局面により、ドルの反発区域に達しており、もう一段のドル売り局面ではドルの買い戻し並びに押し目買いを一考することが得策であろう。

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年6月05日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1650 現状乖離幅0.1661→0.1686
A)100÷117.40=0.8518 B)1÷1.4638=0.6832=0.1686
先週の様子見80.80円から下落に転じており、今週は弱めの買いシグナル80.20円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として強めの買いシグナルが点灯しており、80円割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(81.00〜81.50)

▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)
平均乖離幅 34.50円 現状乖離幅 34.80→37.20円
先週の様子見1.4307から上昇を速めておりが、今週は通常の売りシグナル1.4638が点灯している。中期チャートにおいても様子見から売りシグナルに移行しており、1.47前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.4200〜1.4300)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.50円 現状乖離幅 −5.70→−5.80円
先週の強めの売りシグナル1.0705から変化はなく、今週も引き続き強めの売りシグナル1.0723が点灯している。中期チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.0200〜1.0300)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 20.00円 現状乖離幅 14.80→14.80円
先週の強めの売りシグナル0.8168から変化はなく、今週も引き続き強めの売りシグナル0.8155が点灯している。中期チャートにおいては強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.7600〜0.7700)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −2.00円 現状乖離幅 −1.85→−1.90円
先週の様子見0.9776から変化はなく、今週も引き続き様子見0.9769が点灯している。中期チャートにおいても様子見が点灯しており、0.9500〜1.0000のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ポンドドル(ドル円−ポンド円)
平均乖離幅 49.50円 現状乖離幅 52.60→51.75円
先週の売りシグナル1.6510から下落に転じているが、今週も引き続き通常の売りシグナ1.6428が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.65台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いタ−ゲット(1.6100〜1.6200)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −10.00円 現状乖離幅 −14.50−16.00円
先週の強めの買いシグナル0.8478から更に下落しており、今週は強い買いシグナル0.8337が点灯している。中期チャートにおいても強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.8900〜0.9000)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 21.50円 現状乖離幅 20.50→20.60円
先週の乖離幅20.50円から変化はなく、今週は乖離幅20.60円で短期並びに中気チャートと共に、豪ドル買い・NZドル売りシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60円
★ターゲット(22.00〜22.50円)

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月第1週は201.15円、第2週は196.05円、第3週は194.75円、第4週は197.40円、第5週は196.40円、そして、今週はユーロ円117.40+ドル円80.20=197.80円へと若干円安に傾斜している。(目安*195円以下は円売り局面⇔205円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 17.80→14.35円
先週の買いシグナル0.8666から上昇に転じており、今週はポジション解消売りと伴い、弱めの売りシグナル0.8911が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、0.8700〜0.9100のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(0.8850)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 24.50円 現状乖離幅 20.30→21.20円
先週の強めの買いシグナル1.2130から更に上昇しており、今週も強めの買いシグナル1.2130が点灯している。中期チャートおいては強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.2750〜1.2850)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 39.50円  現状乖離幅 38.10→35.55円
先週の買いシグナル1.3998から下落を速めており、今週は強めの買いシグナル
1.3695が点灯している。中期チャートおいては強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからお押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.4300〜1.4400)




プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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