ユーロドル1.4000割れ意識!押し目買い好機も同居?
FOMC議事録に対する解釈が揺れる中、相対的に利上げ観測を背景に米ドルを買い戻す動きが早まっているが、先週末の欧州各国側からの相次ぐ要人発言などの悪材料が重なり、ユーロの急落に繋がっている。
格付け機関 フィッチが「ギリシャの格付けをBB+→B+に引き下げる」としているが、同時にギリシャ債の期限延長はデフォルトに相当するとの声明を発表、その後、ドイツ連銀総裁はギリシャ国債の償還期限が延長されれば、ECB担保として受け入れは不可能。また、ノルウェー外務省が「ノルウェー、ギリシャに対する4200万ドルの助成金の支払いを停止へ」と発表、そして、追い討ちをかけるように、フランス財務相が「ギリシャにはデフォルトの危険性あり、ギリシャ債の再編はない」ことを示唆するなど、ギリシャの早期ユーロ離脱を窺うような発言が続出した関係上、ユーロは対主要通貨に対して全面安の状況に陥っている。
本日もグゲレルECB専務理事講演、スペイン中銀総裁講演、そして、ビーニ・スマギECB専務理事講演が予定されており、ギリシャ問題を巡り悪材料が噴出する可能性が高いだけに、ユーロドル1.400割れが意識される展開も予想されるため、ユーロロングは自重局面にあると言わざるを得ないだろう。ただし、先週末の1.43台から既に200bpts以上も下落しているため、加速的なユーロ売りに繋がりにくい側面がある。
しかしながら、利食いと損切りを相交えて荒っぽい展開が予想されるため、当面、1.4000割れにストップロスを配置して、ユーロロングに移行することも一考であろう。一方、米金利正常化や欧州債務再編などを背景として、世界景気の減速懸念が拡大する中、相対的にリスク回避の動きは根強く、今後も為替市場における波乱含みの展開が予想されるが、先の日銀声明文においては大震災の影響により、生産面を中心に下押し圧力の強い状態にあり、先行きの経済動向の下振れリスクが意識されているため、円を積極的に買い上げる地合い弱まっている。いずれにしても、ドル円相場は81円台半ば前後で主体性のない展開を強いられており、80〜83円のレンジ相場の域を脱する難しさが生じていると言わざるを得ないだろう。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)作成年月日2011年5月22日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.1550 現状乖離幅0.1690→0.1582 A)100÷115.70=0.8643 B)1÷1.4162=0.7061 A−B=0.1582
先週の様子見80.85円から上昇に転じており、今週は弱めの売りシグナル81.70円が点灯している。中期チャートにおいては買いシグナルが点灯しており、80〜83円のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(80.50〜81.00)
▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)
平均乖離幅 34.50円 現状乖離幅 33.15→34.00円
先週の弱めの買いシグナル1.4100から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル1.4162が点灯している。中期チャートにおいても同様に、弱めの買いシグナルが点灯しており、1.4000〜1.4400のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.4200)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.50円 現状乖離幅 −4.55→−5.45円
先週の売りシグナル1.0563から上昇に転じており、今週も引き続き通常の売りシグナル1.0667が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.07台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0250〜1.0350)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 20.00円 現状乖離幅 15.40→16.80円
先週の売りシグナル0.7860から上昇に転じており、今週は強めの売りシグナル0.7968が点灯している。中期チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、0.8000前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7600〜0.7700)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −2.00円 現状乖離幅 −2.55→−2.25円
先週の弱めの買いシグナル0.9694から若干上昇しており、今週はポジション解消売りに伴い、様子見0.9732が点灯している。中期チャートにおいてもほぼ様子見レベルに位置しおり、0.9500〜1.0000のレンジ相場を形成している。★様子見
▼ポンドドル(ドル円−ポンド円)
平均乖離幅 49.50円 現状乖離幅 50.00→51.00円
先週の様子見1.6184から若干上昇しており、今週は様子見に近い弱めの売りシグナル1.6242が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.6000〜1.6500のレンジ相場を形成している。★買いタ−ゲット(1.6100〜1.6150)
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −9.00円 現状乖離幅 −9.65→−11.40円
先週の弱めの買いシグナル0.8934から下落に転じており、今週は強めの買いシグナル0.8776が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9000〜0.9100)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 21.50円 現状乖離幅 21.85→22.05円
先週の様子見から乖離幅には大きな変化はなく、今週も引き続き、短期及び中期チャート共に強い売買シグナルは点灯していない。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。16.65→19.10→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月第1週は201.15円、第2週は196.05円、第3週は194.75円、そして、今週はユーロ円115.70+ドル円81.70=197.40円へと円売に傾斜している。(目安*195円以下は円売り局面⇔210円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 16.85→17.00円
先週の弱めの買いシグナル0.8712から変化は見られず、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.8719が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、0.8500〜0.9000のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.8800〜0.8900)
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 25.50円 現状乖離幅 23.50→22.60円
先週の買いシグナル1.2597から下落しており、今週は強めの買いシグナル1.2427が点灯している。中期チャートおいても強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.2850〜1.2950)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 41.50円 現状乖離幅 40.35→39.60円
先週の弱めの買いシグナル1.4459から下落を速めており、今週は買いシグナル1.4253が点灯している。中期チャートおいては強めの買いシグナルが点灯しており、1.42前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.4500〜1.4600)
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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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