ドル円82円台・ユーロドル1.43台!戻り売りの好機到来?
複数の日本企業によるスイス企業の買収案件が発表されたことを受けて、M&Aに絡んだ外貨買いの思惑から円売りが殺到、欧州通貨全般が対円で堅調に推移している。
M&Aによる買収規模は為替市場に対する影響は限定的と見られているが、円相場が対ドルで膠着度を強めていた矢先なだけに、市場関係者もポジション調整主体で円売りを余儀なくされた格好であるが、ドル円は82円台には届いておらず、米欧経済に対する不透明感が払しょくされるまでは潜在的なリスク回避の円買い需要は健在と言わざるを得ず、一過性の円売り相場になる可能性も否定できない。
ただし、昨日、白川日銀総裁が日本の経済に対して、大変厳しいとの見解を示しているように、日本経済の低迷を背景とした円売り志向も根強く、当面、ドル円相場は80〜83円のレンジ相場の中で売買を模索することが得策であろう。
一方、米経済指標が軒並み予想を下回る中、特に4月住宅着工件数は52.3万件と予想(56.9万件)を大きく下回り、米雇用情勢や住宅関連の落ち込みが問われており、相対的に対欧州通貨や有資源国通貨へのドル売りを誘発しているが、反面、ECB並びにRBA(‘豪準備銀行)の追加利上げ期待が後退する中、ギリシャの債務再編やユーロ離脱懸念を抱えている現状を踏まえると、市場のセンチメントとしては、ユーロロングの持続性に懐疑的との見方も少なくない。
他方、今晩はFOMC議事録が控えているが、政策金利の据え置きや低金利の長期化を前提にして、量的緩和第2弾を6月末で予定通り終了させる文言が含まれるだろうが、米当局者からは米長期金利の低下傾向に疑問を投げかけているように、その後のバーナンキFRB議長の記者会見次第では金利先高感に繋がる可能性も否定できないだろう。