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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ売り加速も1.4000割れからの反発に警戒?

先週は特別の悪材料は無いものの、ユーロドルが1.43台半ば近辺から1.40台半ばまで急落している。強いて挙げるならば、米国5月ミシガン大学消費者信頼感指数が72.4(予想70.0)と予想を上回ったことが、再びドル買い及び円買いに視線を向けられたこともあるが、市場のコンセンサスは、本日より控えているユーロ圏財務相会合において、ギリシャ債務再編問題を巡る危機意識の高まりから、相対的にポジション解消目的でユーロ売りが加速された状況である。
一方、IMMシカゴ通貨先物においても、危険水準とみられていたユーロロング99,500枚台から61,000枚台へと縮小しているように、投機筋のリスク回避の動きが強まり、ストップロス売り優先の展開を強いられた結果と解釈すべきであろう。しかしながら、依然として、投機筋のユーロロングの水準が高いだけに、ユーロドル1.4000割れが視野に入りつつある。
他方、要人発言も相次いでいる中、シュタルクECB理事はユーロ圏の回復は幅広く力強く、ユーロの危機ではないとし、ギリシャは支払い能力があり、ギリシャの債務再編は問題解決にはならず、一部参加国の財政危機であると言及、また、ユンケル・ユーログループ議長がギリシャは12年までに資本市場へ戻らないだろう。そして、ノボトニー・オーストリア中銀総裁はギリシャ問題の影響は東欧に及んでいないと示唆するなど、相対的にギリシャ並びにユーロ圏の擁護策に追われていることも、逆に市場心理を悪化させており、更に、ギリシャのユーロ離脱に対して、不信感を増幅させている。
補足的になるが、本チャート上ではユーロは売りシグナルから弱い買いシグナルに移行しており、下値は限定的ではあるが、クロス円全般にも波及しており、ストップロス優先の展開が想定されるだけに、もう一段の下落局面を見てから、ロングに移行することが賢明であろう

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年5月15日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1550 現状乖離幅0.1684→0.1690 A)100÷114.00=0.8772 B)1÷1.4100=0.7092 A−B=0.1690
先週の弱めの買いシグナル80.55円から若干上昇しており、今週はポジション解消売りに伴い、様子見80.85円が点灯している。中期チャートにおいては強めの買いシグナルが点灯しており、80前後からの押し目買いに妙味が生じている。★様子見

▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)
平均乖離幅 34.50円 現状乖離幅 34.95→33.15円
先週の弱めの売りシグナル1.4339から下げ足を速めており、中間ではポジション解消買いを伴いながら、一転して、今週は弱めの買いシグナル1.4100が点灯している。中期チャートにおいても同様に、弱めの売りシグナルから買いシグナルに移行しており、1.4000〜1.4400のレンジ相場を形成している。
★売りターゲット(1.4150〜1.4200)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.50円 現状乖離幅 −5.65→−4.55円
先週の強めの売りシグナル1.0701から下落に転じており、今週は通常の売りシグナル1.0563点灯している。中期チャートにおいては依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、1.07前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.0200〜1.0300)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 20.00円 現状乖離幅 15.40→16.80円
先週の売りシグナル0.7914から若干下落しているが、今週も引き続き通常の売りシグナル0.7860が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルが点灯しており、0.8000前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.7600〜0.7700)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −2.00円 現状乖離幅 −2.80→−2.55円
先週の弱めの買いシグナル0.9664から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.9694が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、0.95前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.9750)

▼ポンドドル(ドル円−ポンド円)
平均乖離幅 49.50円 現状乖離幅 51.30→50.00円
先週の弱めの売りシグナル1.6369から下落に転じており、今週はポジション解消買いを伴い様子見1.6184が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、1.6000〜1.6500のレンジ相場を形成している。
★様子見

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −9.00円 現状乖離幅 −11.15→−9.65円
先週の買いシグナル0.8784から上昇に転じており、今週は弱めの買いシグナル0.8934が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、0.88割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.8950〜0.9000)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 21.50円 現状乖離幅 22.45→21.85円
先週の様子見から乖離幅は縮小しているが、今週も引き続き、短期及び中期チャート共に様子見が点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。16.20→15.90→16.65→19.10→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月第1週は201.15円、第2週は196.05円、そして、今週はユーロ円114.00+ドル円80.85=194.85円へと円高に突入している。
(目安*195円以下は円売り局面⇔210円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 16.35→16.85円
先週の弱めの買いシグナル0.8760から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.8712が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、0.86前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.8800〜0.8850)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 25.50円 現状乖離幅 23.60→23.50円
先週の買いシグナル1.2595から変化はなく、今週も通常の買いシグナル1.2597が点灯している。中期チャートおいては強めの買いシグナルが点灯しており、1.25割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.2800〜1.2900)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 41.50円  現状乖離幅 40.15→40.35円
先週の買いシグナル1.4378から上昇しており、今週はごく弱めの買いシグナル1.4459が点灯している。中期チャートおいては買いシグナルが点灯しており、1.43割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.4500)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。
尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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