ユーロ売りに過熱感!チャート上ではポジション解消買い局面?
ギリシャに対する新たな支援策が取り沙汰される中、格付け会社S&Pがギリシャに続き、ポルトガルの格付け引き下げの可能性を示唆したことを受けて、ユーロドルは1.41台後半まで急落、ユーロ円も連れ安の展開を強いられている。
市場全般にユーロの軟調な展開を背景として、リスク回避の動きが早まる中、原油価格も100ドル割れへと急落しているが、米上院議員17名が米商品先物取引協会(CFTC)に対して、直ちに原油市場の投機的動きを取り締まるよう書簡で要請したことも原油価格の下落を助長させている。
また、ギリシャのユーロ離脱問題が懸念根強い中、著名金融レポートがユーロに対してネガティブな見解を示したこともユーロ売りを誘発している。内容的には財政再建に対して、強固なコミットをギリシャが受け入れない限り、支援策は打ち切られる可能性が高いとの見通しである。
一方、ECBの追加利上げ期待から、ユーロロングが積み上がっていた関係上、一部関係者からは、既に投機筋によるユーロロングの調整売りが加速しているとの見方が横行していることもユーロ売りに拍車がかかっている。ただし、本チャート上では、短期及び中期チャート上においても、ユーロドルはポジション解消局面を迎えており、更にユーロ売りに拍車がかかるかは懐疑的であることから、当面、1.4000〜1.4500のレンジ相場の中で売買を模索することが得策であろう。
他方、相次いで米連銀総裁などの発言が伝わっているが、いずれも金融政策に関しては緩和策の長期化を促しているため、米10年債利回りの低下傾向は否めず、ドルの急ピッチの買い戻しにも歯止めがかかりやすい相場環境になっている。ドルの更なる上昇局面では戻り売りに妙味が生じている。