消去法的に円買い志向強まる!再度80円割れが視野に?
ギリシャのユーロ圏離脱の噂が飛び交う中、米格付け会社が相次いでギリシャの長期ソブリン格付けの引き下げ見通しを発表、更なる引き下げの可能性を示唆したことを背景にして、ユーロドルは一時1.42ドル台半ばまで下げ足を強めていたが、その後、原油価格など商品市場が反発に転じたことから、資源国通貨を中心に米ドル売りが優勢となり、ユーロドルは1.43ドル台半ば近辺まで買い戻されている。
ただし、投機筋の動向を図るIMM通貨先物市場では先週時点において、ユーロロングが最高水準まで膨らんでいるため、市場のセンチメントとしては、今回のユーロ急落により、どの程度ユーロロングが縮小されたかを見極めたいとの思惑があり、積極的にユーロを買い戻す動きには繋がっておらず、更なる上昇局面では、ポジション解消売りが予想されるだけに、ユーロドル1.44台以上からのロングは自重局面にあると言わざるを得ないだろう。
一方、相対的なリスク回避志向の高まりと共に、米金融緩和の長期化を背景にして、米国債利回りの低下傾向は否めず、ドルも積極的に買い戻す動きも弱まっている。それ故に、今後もだぶついたマネーが、消去法的に商品市場に流入する可能性は無視できない。同時に高金利通貨や有資源国通貨、そして、安全通貨とみなされている円買いに走る可能性が残される中、円売り協調介入を実施するレベルに達していない状況を踏まえると、ドル円の上昇力は限定的になりつつある。