ドル→正常化に向けて全面高!仕切り直し?
先週発表された米国の4月雇用統計の失業率は9%(前回8.8%)と悪化したものの、非農業部門雇用者数変化がプラス24.4万人と市場の事前予想(プラス18.5万人)を大幅に上回り、昨年5月以来の伸びを示している。そして、民間部門雇用者数変化もプラス26.8万人と2006年2月以来最大の伸びを記録したことを受けて、円を除いてドル全面高の展開となる中、特にユーロドルは1.48台から1.45台まで急落、その後もドイツ紙が「ギリシャがユーロ圏を離脱する可能性」を記載したことから、ユーロドルは損失確定売りを巻き込みながら、再びユーロ売りに拍車がかかり、1.43ドル台前半まで急降下している。
この報道に対して、ドイツ政府やギリシャ財務省はギリシャのユーロ離脱検討との報道を否定、た、ユンカー・ユーログループ議長報道官もギリシャに関する協議開催を否定したが、その後もドイツ政府関係筋が、ショイブレ独財務相とアスムセンドイツ財務次官がルクセンブルクでの会議に出席することを明らかにしたことで、ユーロは安値圏に突入している。
一方、7日に発表されたシカゴIMM先物通貨においては、投機筋のユーロ・ロングが10万枚に迫る9.95万枚まで膨れて上がっており、今後もポジション解消売りが伴えば、更にユーロ売りが加速する恐れも浮上している。
他方、ドルの急騰により、クロス円が軒並み下落している関係上、日銀の円売り介入策も視野に入りつつあるが、東日本大震災後に行われた協調介入では、ドル円が78〜79円、ユーロ円は110円割れ、豪ドル円は77円、ポンド円は127円、そして、カナダ円は80円割れの円高状況と比較しても、日銀の単独介入のみならず、協調介入を実施するには程遠い相場環境と見なすのが妥当であろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年5月08日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.1550 現状乖離幅0.1575→0.1684 A)100÷115.50=0.8658 B)1÷1.4339=0.6974 A−B=0.1684
先週の買いシグナル81.10円から若干下落に転じており、今週は通常の買いシグナル80.55円が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、80円割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(82.00〜82.50)
▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)
平均乖離幅 34.50円 現状乖離幅 38.95→34.95円
先週の強めの売りシグナル1.4803から急落しており、今週は弱めの売りシグナル1.4339が点灯している。中期チャートにおいても同様に、弱めの売りシグナルに移行しており、1.45台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.4200〜1.4300)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.50円 現状乖離幅 −7.80→−5.65円
先週の強い売りシグナル1.0962から下落を速めており、今週は通常の売りシグナル1.0701点灯している。中期チャートにおいては依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、1.08台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0200〜1.0300)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 20.00円 現状乖離幅 15.40→16.80円
先週の強めの売りシグナル0.8101から下落に転じており、今週は通常の売りシグナル0.7914が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルが点灯しており、0.8000前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7550〜0.7650)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −2.00円 現状乖離幅 −4.70→−2.80円
先週の買いシグナル0.9452から上昇を速めており、今週は弱めの買いシグナル0.9664が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、0.95前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9700〜0.9800)
▼ポンドドル(ドル円−ポンド円)
平均乖離幅 49.50円 現状乖離幅 54.35→51.30円
先週の強めの売りシグナル1.6702から下落を速めており、今週は弱めの売りシグナル1.6369が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.6500前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.6100〜1.6200)
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −9.00円 現状乖離幅 −12.60→−11.15円
先週の強めの買いシグナル0.8665から上昇に転じており、今週は通常の買いシグナル0.8784が点灯している。中期チャートにおいては強めの買いシグナルが点灯しており、0.87前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.890〜0.9000)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 21.50円 現状乖離幅 23.20→22.45円
先週の弱い豪ドル円売り/NZ円買いシグナルから乖離幅が縮小しており、今週は短期及び中期チャート共に、様子見が点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。16.20→15.90→16.65→19.10→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月第1週は201.15円、そして、今週はユーロ円115.50+ドル円80.55=196.05円へと円高局面を迎えている。(目安*195円以下は円売り局面⇔210円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 15.40→16.35円
先週の様子見0.8863から下落に転じており、今週は弱めの買いシグナル0.8760が点灯している。中期チャートにおいては様子見が点灯しており、0.8550〜0.8900のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.8800〜0.8850)
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 25.50円 現状乖離幅 26.35→23.60円
先週の弱めの買いシグナル1.2812から下落を速めており、今週は通常の買いシグナル1.2595が点灯している。中期チャートおいては強めの買いシグナルが点灯しており、1.25前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.2900〜1.3000)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 41.50円 現状乖離幅 41.75→40.15円
先週の弱めの買いシグナル1.4456から下落に転じており、今週は通常の買いシグナル1.4378が点灯している。中期チャートおいても買いシグナルが点灯しており、1.43前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.4550〜1.4650)
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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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