円売り小康状態!ドル円82〜84円で注視?
ユーロ圏の追加利上げ観測の高まりから、ユーロは対ドルで年初来8%程度、そして、対円では10%程度上昇しているが、ギリシャの債務再編問題が浮上する中、他の重債務国の債務返済能力をめぐり欧州債務の悪化懸念が強まっていることが相対的にユーロの圧迫要因になっている。また、格付け機関ムーディーズがアイルランドの格付けを「Baa」→「Baa3」に引き下げた上、見通しを「ネガティブ」にし、更にドイツ外務副大臣が「ギリシャが債務再編したとしても、大災害にはならないだろう」と債務再編を否定しなかった事などを受けて、ユーロドルは1.45台の上値の重さが再認識されている。
一方、一連の米経済指標が予想より強い結果となった事などもユーロの押し下げ要因になっているが、4月NY連銀製造業景気指数における構成項目の「雇用指数」は23.08と前回(9.09)から大幅に改善し、米景気の浮揚期待の高まりなどを踏まえて、ドルを買い戻す動きも散見されている。しかしながら、米財務省が財政赤字137兆円との見通しを発表したことで早期利上げ観測は後退しているが、反面、原油高によるインフレ懸念と共に、金利正常化に向けてタカ派的な見解も少なくないが、金融スタンスの行き詰まりも表面化している。
他方、金、原油はともに続伸、金先物は1489.10ドルと市場最高値を記録しているが、同時に原油先物は一時110台まで上昇しており、欧州債務問題、米国の財政赤字拡大、そして、大震災による日本経済の下振れリスクを考慮したリスク回避の動きが強まっており、為替相場の撹乱要因が山積しており、相場の難易度を高めている。その中で、豪ドルは一時1.0580と変動相場制導入来の高値水準を記録するなど、リスク回避姿勢を強めているが、円売りが小康状態にあり、更に豪ドルを買いあげるリスクも生じている。
補足的になるが、福島原発事故の収束に向かえば、瞬間的に円買いに反応することが予想されるため、当面82〜84円のレンジ幅の中で売買を模索することが賢明であろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年4月17日
*注意事項: 相場が急激な円安局面を迎えています。チャート上ではレンジ幅が大幅に変更されていますので、通貨によっては、先週との相関性が剥落している箇所があります。ご留意してご参照ください。
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1500 現状乖離幅0.1274→0.1409
A)100÷119.90=0.8340 B)1÷1.4428=0.6931 A−B=0.1409)
先週の様子見84.70円から下落に転じており、今週は買いシグナル83.10円が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、83円割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(84.50〜85.00)
▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)
平均乖離幅 34.50円 現状乖離幅 38.00→36.80円
先週の様子見1.4486から若干下落しているが、今週も引き続き様子見1.4428が点灯している。中期チャートにおいては、売りシグナルが点灯しており、1.45前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★様子見
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 1.50円 現状乖離幅 −4.80→−4.70円
先週の売りシグナル1.0567から変化は見られず、今週も引き続き売りシグナル1.0566が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、1.057台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.0350〜1.0450)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 20.00円 現状乖離幅 18.40→16.65円
先週の様子見0.7827から上昇を速めており、今週は売りシグナル0.7996が点灯している。中期チャートにおいては、引き続き強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7700〜0.7750)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −2.00円 現状乖離幅 −3.85→−3.40円
先週の弱めの買いシグナル0.9565から若干上昇に転じているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.9601が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、0.95前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9650)
▼ポンドドル(ドル円−ポンド円)
平均乖離幅 49.50円 現状乖離幅 54.15→52.40円
先週の売りシグナル1.6393から下落に転じており、今週は弱めの売りシグナル1.6306が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルが点灯しており、1.64台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.6150〜1.6200)
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 9.00円 現状乖離幅 −8.50→−9.50円
先週の様子見0.9088から下落に転じており、今週は買いシグナル0.8931が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.89割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9050〜0.9150)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 22.50円 現状乖離幅 23.20→21.40円
先週の豪ドル円売り/NZ円買いシグナルからかい離幅が縮小、ポジション解消を伴いながら、今週は豪ドル円買い/NZ円売りに転じている。
過去の週間ごとの経緯は以下の通り。16.20→15.90→16.65→19.10→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月第1週は197.30円、第2週は195.75円。第3週は194.85円、第4週は196円。4月第1週は203.65円、第2週は207.40円、そして、今週はユーロ円119.90+ドル円83.10=203.00円
(目安*195円以下は円売り局面⇔210円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 16.15→15.60円
先週の弱めの買いシグナル0.8837から変化は見られないが、今週は様子見0.8849が点灯している。中期チャートにおいても様子見が点灯しており、0.8700〜0.9000のレンジ相場を形成している。★様子見
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 25.50円 現状乖離幅 29.50→26.85円
先週の様子見1.3165から下落に転じており、今週は弱めの買いシグナル1.2886が点灯している。中期チャートおいては買いシグナルが点灯しており、1.28割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.3050〜1.3100)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 41.50円 現状乖離幅 45.65→42.45円
先週の売りシグナル1.4896から下げ足を速めており、今週はポジション解消買いを伴いながら、弱めの買いシグナル1.4562が点灯している。中期チャートおいては弱めの買いシグナルが点渡欧しており、1.45割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.4650〜1.4700)
***************************本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。