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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円83円割れ押し目買いの好機?

日経平均株価の上昇は限定的であるが、原油価格の高止まりや米長期債利回りが低下したことなどを受けて、ドル売り・円買いが優勢の展開であるが、反面、東日本大地震の影響を受けて、円を積極的に買う材料は見当たらない。また、FRBの早期利上げ期待が後退する中、米長期金利の低下を促しており、ドル売りが優先されてはいる一方、ユーロドルはECBの金利先高観測を背景に、再三再四1.45台に乗せているが、同レベルでは高値警戒感と共に利益確定を踏まえた調整売りが根強く、1.45台半ば以上にならない限りは急落も想定されるだけに、どちらにも動きづらい相場環境に陥っている。

一方、依然として、日本の景気下振れリスクや放射能汚染拡大を懸念した円売り志向は残るものの、クロス円全般にも円キャリートレードの手仕舞いによる円買い圧力があり、ドル円相場は上値の重い展開を強いられている。ただし、ドル円83円割れの段階では利益確定及び実需の買いが控えており、投機筋による83円割れ狙いの売りは控えざるを得ない状況と推測するが、戻りも早い展開と判断して、83円割れでは押し目買いの好機とも言えるだろう。ただし、ストップロスを82円台半ば前後に配置して、リスク軽減を前提にして始動することを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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