円売り基調変わらず!戻り売りに専念?
東日本大震災の影響が懸念される中、日本政府は福島第1原発事故の危機レベルを2段階引き上げ「レベル7」たが、午後に入り東京電力が「福島原発事故で放射線物質の漏れは続いており、放射線放出量がチェルノブイリ原発事故を越える可能性がある」との見方を示したことで、リスク回避の動きが一段と強まっている。
また、日経平均株価が一時、前日比200円超下落するなど下げ幅が拡大したことから、円キャリートレードの手仕舞い「利益確定売り」が早まる中、円買いが加速するなど、市場は混迷を極めている。
しかしながら、市場概念としては、リスク回避が即座に円買いに向かうかは不透明の段階であり、今回の円高局面は、一時的に円の流動性の欠如を配慮した結果と考えられるが、基本的には日本離れによる円売りが主力になると判断するのが妥当であり、過度な円ロングは自重することが賢明であろう。
ただし、昨日のIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しにあるように、「世界経済の景気回復期待は強まっているが、原油価格が下振れリスクである」と指摘しているため、リビア情勢の成り行きを見ながら、原油価格の動向如何で為替相場の乱高下は避けられない状況にある。
いずれにしても、欧米の金利先高観測、福島原発処理問題、そして、中東情勢の悪化など、市場には多種多様な売買材料が回遊する中、ドルショートの蓄積などもあり、相対的にどちらにもポジションを傾けづらい相場環境に陥っている。