外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >介入期待強まる!ドル円80円単独介入→78円協調介入?

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

介入期待強まる!ドル円80円単独介入→78円協調介入?

福島原発事故やリビア情勢が不安視される中、昨日は新規材料難から主要通貨は対円及び対米ドルでも、相対的に値動きは限定的になっている。
日経平均やアジア株が上昇に転じたことを受けて、NY序盤ではNYダウ先物が持ち直すなど、市場は冷静さを取り戻しつつあるが、リビア情勢の長期化や原油需要の高まりを踏まえて、原油価格の上昇が続いており、マーケットは相対的にドル売りに傾斜している。

一方、ユーロ圏ではインフレ懸念が強調される中、次回4月7日のECB理事会において、利上げ観測が台頭しており、現段階ではユーロドルのサポート要因となっているが、日本の震災及び中東・北アフリカの混乱が世界経済の不確実性を増しているため、一部では早期の利上げには慎重な見方も浮上している。また、4月にはポルトガル国債の大量償還を迎える中、ドイツ国債と他の重債務国利回りの拡大が続いており、利上げ自体を疑問視する見方も少なくない。確かに、金利正常化に向けては、日米欧共に利上げすべきではあるが、景気回復が明らかになるまでは、利上げを敢行するリスクも抱えている。それ故に、ECBが継続的に利上げを実施できるかが疑問視されており、利上げが先延ばしになる可能性もあり、ユーロの急落を想定したシナリオも一考すべきであろう。

他方、円相場は介入警戒から下値は限定されているが、昨日、ECBは為替介入には本意ではないと見られていたが、ECBシュタルク専務理事は改めて、主要7カ国は日本経済の復興のため円売り介入には協力する旨を示唆し、また、円相場が急騰すれば政府・日銀の介入を容認することを言及している。
再度、ドル円80円割れでは単独介入、そして78~79円の円高局面では協調介入をイメージすることが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド