株価急落→負の連鎖拡大中?
日経平均株価は一時8,400円割れへと大幅に下落、また、本邦勢の換金売りやリパトリ観測などを背景にして、円が買われやすい状況は否めないが、反面、東日本大震災による日本経済活動の停滞が懸念される中、外国人投資家などの日本離れが進行するとの見方、そして、過度な円高に対しては日銀の円売り介入が意識されており、一方的な円高懸念は燻っているが、相対的にポジション解消売買に追われているのが現状である。
一方、福島の原発事故なども一向に好転しておらず、市場は不安心理の蓄積により、株・為替共に不安定な相場環境に直面しており、ポジションをいずれにも傾けにくい相場環境に陥っている。日経平均株価が9000円台を割り込んだことから、負の連鎖がアジア株式市場並びに欧米株式市場に波及しており、景気回復期待が拡大している合には株安・円高の相関性を重視することは可能であるが、日本発の世界経済の停滞ともなれば、株安・円売りと判断するのが順当であろう。
いずれにしても、日経平均株価が暴落する中、一時的に円買いが強まってはいるが、更に円買いを強行する地合いではないだろう。
円買い一巡後に、日銀が3兆円の即日供給オペの追加発表したことから、再度円売りに傾斜しているが、相場が冷静さを取り戻すまでは、引き続き80〜83円のレンジ内で売買を模索することが得策であろう。
他方、本日は注目のFOMC政策金利発表が控えているが、本邦の大震災の影響は測り知れず、株安連鎖の影響を受けて、米景気回復期待が削がれる可能性もあるため、継続的な金融緩和策を示唆する可能性が高いだけに、総じて、ドル売りに傾斜しやすい状況は否めないだろう。
ユーロ圏においてインフレ警戒による早期利上げ観測が高まっているが、世界経済の方向性を確認できるまでは早期利上げ観測が後退する可能性もあり、ユーロの上昇は限定的と判断するのが賢明であろう。また、豪ドルはパリティ割れと急落しているが、機関投資家及び投機筋の損失穴埋めによるや円キャリートレードの手仕舞いなども散見されており、上値の重い展開を余儀なくされている。