原油高相場!1バレル110ドル⇔ドル円81円・120ドル⇔80円割れ?
中東及び北アフリカ情勢に対する懸念が強まる中、リビア情勢の不安は根強く、リスク回避による米長期債利回りの低下や米国株式市場の軟調地合いなどを背景にドル売りが優先されているが、ドル売りの主な要因は原油価格の高騰が起因している。昨日はドバイ原油に続いて、米原油先物価格が一時2年4ヵ月ぶりに100ドルの大台へ上昇したことがドル売りを誘発している。
一方、ドル円は82円台半ば前後で膠着度を強めているが、スイスフランと同様に、リスク回避通貨としては健在であり、上値の重い展開を強いられている。
また、ユーロドルは特段の買い材料は希薄であるにもかかわらず、1.38台を窺う動きになっているが、原油高・ドル売りの恩恵を受けている面が多分に含まれており、原油価格動向次第では失速する可能性も捨てきれないだろう。
他方、米5年債の入札結果を受けて、米国債利回りが上昇に転じたことから、米ドルの買戻しが散見されているが、中東情勢が進展しない限りは、相対的にドルロングを解消せざるを得ない状況である。
しかしながら、財政面においては、欧州金融機関などの資産運用が中東諸国にも集中しているため、相次ぐアラブ諸国の政権崩壊が財政問題にも波及しかねず、欧州通貨を加速的にロングにする難しさも表面化している。
いずれにしても、原油価格の動向次第の感は否めないが、既に原油高が株式市場に影響を及ぼしているように、更に価格上昇が続けば、世界経済の回復見通しが後退することは明白であり、市場のドル売り志向が更に強まる可能性があり、当面、ドルの戻り売りを基本とした戦略性が求められるだろう。