地政学的リスク高まる!難解な相場展開へ?
中国が先週末に預金準備率を0.5%引き上げ、昨年来から9回目の引き上げになるが、それ自体は特段の驚きはないものの、世界株式市場に過熱感があるだけに、上海総合株式市場への影響が懸念されている。
また、週末、パリで行われたG20(20カ国地域財務相・中央銀行総裁会議)では、中国の急成長が意識される中、世界経済の不均衡是正を強化することで合意したものの、特に数値目標は定められてはおらず、市場への影響も限定的との見方が大勢を占めている。
一方、エジプトから始まった反政府デモがサウジアラビアも含めて、中東全域に波及する中、23日にもイランの艦艇がスエズ運河を通過する予定になっているため、イスラエルとの緊迫感が伝えられるなど、地政学的リスクの高まりを背景に原油価格の上昇が懸念され、相対的にドルが売られやすい相場環境に陥っている。
日本においても、民主党の支持率が20%割れまで低下し、今後の政局動向が不安視される中、安全資産としての円の評価は低下しているが、ドル売り圧力や実需の売りに押された格好で上値の重い展開を強いられている。
他方、IMM通貨先物(2月15日付)においては、円ロング3万6千枚台から、一気に1万8千枚ショートへと様変わりしており、円売り志向が強まっていることは明白であるが、反面、資源国通貨の豪ドルとカナダ、そして、ポンドのロングが警戒水準まで達しており、米国市場の休場を挟み、総じて、予断を許せない相場環境になっている。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年2月21日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1600 現状乖離幅0.1464→0.1485
A)100÷113.80=0.8787 B)1÷1.3694=0.7302
(A−B=0.1485)
先週の弱めの売りシグナル83.45円から若干下落しているが、今週も様子見レベルの弱い売りシグナル83.10円が点灯している。中期チャートにおいては売りシグナルが点灯しており、84円前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(82.50円)
▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 28.50円 現状乖離幅 29.60→30.70円
先週の様子見1.3547から上昇を速めており、今週は通常の売りシグナル1.3694が点灯している。中期チャートでは依然として、強い売りシグナルが点灯しており、1.37台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.3500〜1.35500)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 0.50円 現状乖離幅 −0.20→−1.20円
先週の弱めの売りシグナル1.0024から上昇に転じており、今週は通常の売りシグナル1.0114が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている
。★買いターゲット(0.9900〜1.0000)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 19.50円 現状乖離幅 19.95→19.80円
先週の弱めの買いシグナル0.7609から若干上昇しているが、今週はポジション解消売りに伴い様子見0.7617が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルがしており、0.77台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★様子見
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −0.50円 現状乖離幅 −0.95→−1.10円
先週の弱めの買いシグナル0.9887から変化はなく、今週も弱めの買いシグナル0.9869が点灯している。中期チャートにおいては強めの買いシグナルが点灯しており、0.98前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9900〜0.9950)
▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 47.50円 現状乖離幅 50.10→51.90円
先週の弱めの売りシグナル1.6004から上昇を速めており、今週は売りシグナル1.6245が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.5900〜1.6000)
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −3.00円 現状乖離幅−2.25→−4.75円
先週の売りシグナル0.9737から急落する中、ポジション解消買いと伴い、今週は一転して買いシグナル0.9459が点灯している。中期チャートにおいては、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9550〜0.9650)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 19.00円 現状乖離幅 20.15→21.00円
乖離幅が節目である21円台まで拡大しており、今週は短期チャート並びに中期チャート共に、豪ドル円売り・NZ円買いシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→16.65→18.10→18.95→19.20→19.10→17.50→17.80→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月第1週は193.85円、第2週は196.50円、そして、今週はユーロ円113.80+ドル円83.10=196.90円と円安傾向を強めている。(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 19.00円 現状乖離幅 20.50→21.20円
先週の弱めの買いシグナル0.8465から若干下落しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.8430が点灯している。中期チャートにおいては様子見レベルにあり、0.8300〜0.8700のレンジ相場を形成している。
★売りターゲット
(0.8500〜0.8550)
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 25.50円 現状乖離幅 27.35→25.95円
先週の売りシグナル1.3191から下落を速めており、今週はポジション解消買いを伴い弱めの買いシグナル1.2954が点灯している。中期チャートおいても同様に弱めの買いシグナルが点灯しており、1.2800〜1.3200のレンジ相場を形成している。 ★売りターゲット(1.3000)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 44.50円 現状乖離幅 47.85→47.15円
先週の売りシグナル1.5583から下落を速めており、今週は弱い売りシグナル1.5367が点灯している。中期チャートおいては買いシグナルが点灯しており、1.5200〜1.5600のレンジ相場を形成している。買いターゲット(1.5300)
***************************
本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
***************************