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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

オセアニア通貨の裁定取引に注目!

オーストラリアの旗はどっちでしょうか 

オーストラリアの旗はどっちでしょうか 

オセアニア通貨は兄弟?
先日は「ペットでも判る簡単チャート」の出版本の打ち合わせをしたが、自分の文章力の愚かさを再発見した次第です。普段のレポートの言葉づかいでは“である。すべき。”と断定的な言葉も必要であるが、書籍となると“ですます言葉“を使用することが多いそうで、早速、ですます言葉に挑戦したが、何故か原稿の進み具合が悪い。やはり原稿が書き終えた段階で”ですます“言葉に置き換えること決意しましたが、普段なれない言葉を使用すると精神的にも悪いことが重々わかりましたね。カリスマ主婦が書くように、儲け話を親切かつ丁寧に提供できれば良いのでしょうが、そんな美味しい話ばかりは書けませんので、悪戦苦闘の日々が続くと考えるだけでも逃避したい気持ちにもなります。まあ為替の初心に帰って書き上げたいと思います。最近の円安では実践経験のある人ほど損失を被るケースも多いと聞きます。初心に帰れば今の円安でウハウハしていたのでしょうが、テクニックが中級、上級でも勝てなければ初心者以下と言われるのが為替の世界です。中途半端に為替を理解するよりは、初心者の行動心理の方が的を射ているのも事実です

オセアニアの旗はありません

オセアニアの旗はありません

●先日もロイターの調査で50人のストラテジストによる1年後の予想が発表されたが、ドル円120~108円、ユーロドル1.17~1.25とすでに米ドルのピーク感を前提にした予想となっている。裏を返せば、この数ヶ月間における余りにも早い米ドル高と円安・ユーロドル安に違和感を持ちながらの予想だけにドル円・ユーロドルの現状が米ドル高として予測されている所以であろう。去年の予想は確かドル円の高値は112円~115円と記憶しているが、希望的観測では参考にならないし、去年予想したストラテジスとさえも、自ら予想したレベルを忘れてしまうほどの円安である。
●日米欧とも金利と言う切り札をちらつかせながらの攻防だけに、一喜一憂する局面が多くなるのが必然でもあるが、結局はレンジ相場の域を脱せず、一方的な米ドル高も円安も沈静化する傾向と捉えた方が賢明であろう。又は極端な動きが生じたときの逆張りに妙味がある相場でもあり、ポジション枠の余裕を常に保つことが勝敗の分かれ目になると思われる。
ドル円下値120円が利益確定と金利差による潜在的な買い意欲が旺盛でもあり、同レベルの買いを推奨するが、総体的には相場の流れを重視したマーケットであるため、随時売り圧力も考えられるだけに、121円レベルの売りも推奨する。
ユーロドルも1.18台からの上昇にも一服感があるように、ユーロ経済の回復と金利上昇見込みだけでは上値の限界を感じさせられる段階でもあり、1.18台半ば前後の売りを推奨する。買いは1.17台半ばまで待ちたい相場である。
13日のFOMCの利上げによる米ドルロング堅持と福井日銀総裁の確信を持った発言を察して、翌14日の日銀短観の大幅改善も期待できるだけに思考錯誤の展開が予想されるため、ポジションの縮小を専念しながら戦略が望ましい。
●120円を割れる展開にならなければ、ドル円の下値はさらに堅調となるため、120円前後の買いを置くことも妙味がある。先に120円台に駆け上った時のように、再度節目と見ることも必要であり、下値リスクも限定的と思われるだけに、適宜なストップロスを置きながら120円レベルの買いを推奨する。但し、今回の日銀は来年1~3月期にかけては景況感がかなり改善すると踏んでの発言だけに、今までと同様な金利格差だけで米ドルを買い求めるリスクは高まるのが必然であろう。
★現状でお勧めできるのはオセアニア通貨の裁定取引ぐらいであり、先週末は4円前後まで縮小した乖離幅も再び6円まで戻っている状況を考えると、ローリスク・ハイリターンも望める状況が続いているだけに、今後もオセアニア通貨の乖離を重視することを勧める。

プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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