ドル買い調整続くも、未だに不十分?
エジプトのムバラク大統領の辞任報道を受けて、NY株式が大きく上昇する場面もあったが、むしろ、原油価格の下落や良好な米経済指標と米インフレ懸念を背景に、米長期金利の先高観を踏まえて、市場は徐々に冷静さを取り戻している。
先週末の米2月ミシガン大学消費者信頼感指数は予想を小幅上回ったこともドル買い需要を強めているが、為替市場は米長期金利の動向に左右される中、相対的には米10年債利回りが3.6%以上に位置している関係上、機関投資家及び投機筋などがドルロング志向に傾斜していることもドルの追い風に繋がっている。
一方、米景気回復期待の増幅と共に、ドル円は節目と見られていた83円台を難なくクリアー、そして、ユーロドルも一時、1.35割れへとドル買い基調を強めている反面、節目ではポジション解消を強いられる展開が予想されるだけに、ポジションの拡大は控えて、常にどちらにでも動ける体勢作りが必要であろう。
いずれにしても、米長期金利の高止まりや原油価格の上昇に歯止めがかかる中、NYダウが2年8か月ぶりの高値圏を維持している限り、過度なドルショートは自重局面にあると判断するのが賢明であろう。しかしながら、株式市場に支えられた恰好で米景気回復期待は高まっているが、一部では、急ピッチの米長期金利上昇を悪い金利上昇と捉えられており、今後もリスク選考次第では、再度、10年債利回り3.5%割れの状況を視野に入れなければならず、一方的なドル買いの流れには繋がらないのが現状であろう。
他方、IMM通貨先物市場においては、依然として、ドルが対主要通貨でショートの状況にあるだけ、当面、ドルの買い戻しを想定した戦略性が求められるが、不安定な相場形態なだけに、繰り返しになるが、ドル安局面では随時、ドルロングに移行することが得策であろう。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年2月14日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.1600 現状乖離幅0.1595→0.1464A)100÷113.05=0.8846 B)1÷1.3547=0.7382(A−B=0.1464)先週の弱めの買いシグナル82.20円から上昇に転じており、83円前後でポジション解消買いを伴い、今週は弱めの売りシグ83.45円が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルから弱めの売りシグナルに移行しており、82.50~84.50円のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(82.50〜83.00円)
▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 28.50円 現状乖離幅 29.45→29.60円
先週の弱めの売りシグナル1.3583から若干下落し、今週はポジション解消買いに伴い、様子見1.3547が点灯している。中期チャートでは依然として、強い売りシグナルが点灯しており、1.37前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★様子見
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 1.00円 現状乖離幅 −1.05→−0.20円
先週の強めの売りシグナル1.0128から下落しており、今週は通常の売りシグナル1.0024が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.9850〜0.9950)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 19.00円 現状乖離幅 18.95→19.95円
先週の様子見0.7695から若干下落しており、今週は弱めの買いシグナル0.7609が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルがしており、0.78台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★売りターゲット(0.7650〜0.7700)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 0.00円 現状乖離幅 −1.00→−0.95円
先週の弱めの買いシグナル0.9880から変化はなく、今週も弱めの買いシグナル0.9887が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.98前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.9950〜1.0050)
▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 47.50円 現状乖離幅 50.15→50.10円
先週の売りシグナル1.6101から下落しており、今週は弱めの売りシグナル1.6004が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.5800〜1.5900)
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −3.00円 現状乖離幅−3.85→−2.25円
先週の弱めの買いシグナル0.9553から上昇を速めており、今週はポジションン解消売りを伴いながら、売りシグナル0.9737が点灯している。中期チャートにおいては、強い買いシグナルが点灯しており、0.9500〜1.0000のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(0.9550〜0.9600)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 18.00円 現状乖離幅 20.00→20.15円
先週の乖離幅からは変化はなく、今週も引き続き豪ドル円売り・NZ円買いシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→16.65→18.10→18.95→19.20→19.10→17.50→17.80→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。そして、2月第1週は193.85円、そして、今週はユーロ円113.05+ドル円83.45=196.50円と円安傾向を強めている。(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 19.00円 現状乖離幅 21.40→20.50円
先週の弱めの買いシグナル0.8436から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.8485が点灯している。中期チャートにおいては逆に弱めの売りシグナルが点灯しており、0.8300〜0.8700のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.8550.〜0.8600)
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 25.50円 現状乖離幅 25.65→27.35
先週の様子見1.2975から上昇を速めており、今週は通常の売りシグナル1.3191が点灯している。中期チャートおいては、様子見レベルで推移しており、1.32台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.2950〜1.3050)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 44.50円 現状乖離幅 46.30→47.85円
先週の弱めの売りシグナル1.5381から上昇を速めており、今週は通常の売りシグナル1.5583が点灯している。中期チャートおいては強い買いシグナルが終了しており、ほぼ様子見レベルで推移している。
★買いターゲット(1.5200〜1.5300)