ドル円81円台では小じっかり!ユーロ1.35台では買い戻し優先?
過熱感が生じていたユーロが主要通貨に対して下落、昨日は注目されたトリシェECB総裁とバーナンキFRB議長の発言が明暗を分ける格好になっている。
トリシェECB総裁は先の消費者物価指数の拡大を受けて、早期利上げ期待が高まる中、「金利は引き続き適切とし、経済見通しにおけるリスクは、引き続き下方に傾斜している」との認識を示したことで、早期利上げ観測が後退する中、利益確定売りに伴いユーロ売りに拍車がかかっている。
一方、バーナンキFRB議長の異例とも思える記者会見では、「雇用者の雇用意欲は増している、雇用統計が近く改善すると予想」との見方を示したことで、FRBが早期に金融緩和解除に踏み切るとの憶測が広がったこともドル買い・ユーロ売りの圧力になっている。また、その後発表された米1月ISM非製造業景況指数が2005年8月以来の好内容を示し、米長期債10年物利回りが3.5%台、そして、2年債も0.70%台を回復したこともドル買いを誘発している。
一方、本日発表される米1月雇用統計においては、新規失業保険申請件数が41.5万件と前週(45.7万件)から大きく改善、そして、1月ISM非製造業景況指数の雇用指数が52.6から54.5に改善された事を受けて、米雇用統計への期待感が高まりつつある。投機筋としても、この数日間の急ピッチのユーロ上昇を懸念する中、相対的にポジション解消売りが優先されている。反面、ユーロドルが1.38台から200ポイント以上急落しているため、ユーロドル1.35台を意識した段階では、適宜なポジション買い戻しの動きも散見されているため、今晩の米雇用統計の大幅な改善結果が無い限りは、下値は限定的と判断するのが妥当であろう。
他方、ドル円はリスク回避志向が働き、総じて、クロス円も含めて、円買いが優勢になっているが、81円台半ば近辺では実需買い及び円キャリートレードの思惑から下げ渋る展開になっており、過度な円高期待は禁物であろう。
★ペットチャート公開(1月31日作成)