中東情勢睨み、試行錯誤!動意を待って始動賢明?
エジプト政府の混乱が続く中、市場は先週末のリスク回避の動きが一服、とりあえず、ユーロドルは下げ幅を取り戻しているものの、1.37台以上では利益確定売りと共に、ユーロロングには警戒感を強めている。
昨日はユーロ圏1月消費者物価が2.4%と予想を上回り、ECBのターゲットである2.0%を超えており、トリシェ総裁の短期的なインフレ警戒発言を裏付ける恰好となり、欧州中銀による利上げ観測が意識される中、英中銀政策委員による「適度な利上げが必要な状況になりつつある」との見解が材料視され、ユーロドル及びポンド買いに繋がっている。
一方、米1月シカゴ購買部協会景気指数は1988年7月以来の高水準にもかかわらず、月末要因を背景として、相対的にポジション調整が優先されており、ドルの反発は限定的になっている。しかしながら、項目別では雇用指数が64.1、そして、新規受注75.7と大幅に改善しており、週末の米雇用統計に対する期待感が強まっており、ドルの戻り買い志向は健在と言えるだろう。
他方、ドル円は82円前後で小幅な動きで終始しており、82円割れでは月末要因から本邦輸入企業のドル買いなどが散見されているが、市場は国債引き下げ問題が限定的との見方との思惑もあり、ほぼ蚊帳の外状態にある。
いずれにしても、エジプトの政情不安は進展がみられない以上、中東情勢の悪化を睨んだ地方学的リスクに配慮せざるを得ないが、当面、事態の行方を見極められるまでは中立スタンスで注視するしか妙策はなく、直近のレンジ幅の範疇で売買を模索することを勧める。