エジプト情勢が加わり、為替相場は正常化?
エジプト情勢の不透明感が強まる中、反政府デモが激化したことを受けて、金融市場ではリスク回避の動きが強まっている。米債券市場は利回り低下を招き、また、株式市場も大幅に下落、そして、エジプトの政情不安から中東のパイプであるスエズ運河問題が浮上する中、原油価格が上昇、そして、VIX恐怖指数が急上昇するなど、市場は様変わりの様相を呈している。
一方、為替市場では、月末を控えてポジション調整の動きが早まる中、先週末に中国の温家宝首相が「中国は今後も債務危機問題で欧州を支援」と発言したことから、ユーロドルは1.37台まで上昇と底堅い状況にあったが、リスク回避志向が強まりからドル買い・円買いが進行、上昇力を強めていたユーロが売られる展開になっている。ユーロドルは1.36ドル台割れ、そして、ユーロ円は111円台半ばまで下落するなど、相対的に損失確定売りに圧されている。
他方、米国10−12月期GDPは予想を下回ったものの、個人消費が改善したことや、その後発表された米国1月のミシガン大学消費者信頼感指数が予想を上回ったことが好感され、全般的に米ドル買いが優勢の展開になっている。また、ガイトナー米財務長官が「危機の最悪期は過ぎ去った」と発言したことも米経済に対する景気回復期待と共に、ドル買いを後押ししているが、今週は中国が旧正月(春節)を迎えるにあたり、中国の利上げ観測・欧州財政危機・日本国債引き下げ、そして、想定外のエジプト情勢問題が加わり、債券・為替市場・商品市場はポジション解消が余儀なくされている。当面、エジプト情勢の鎮静化を見るまで試行錯誤の相場環境と言わざるを得ないが、少な目のポジショニングで相場動向が模索することが得策であろう。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年1月30日
▲ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1600 現状乖離幅0.1547→0.1602
A)100÷111.75=0.8949 B)1÷1.3611=0.7347(A−B=0.1602)
先週の弱めの売りシグナル82.60円からポジション解消買いを伴い、今週は様子見82.10円が点灯している。中期チャートにおいては、様子見から弱めの買いシグナルに移行しており、引き続き81~84円のレンジ相場を形成している。★様子見
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 28.50円 現状乖離幅 29.90→29.65円
先週の弱めの売りシグナル1.3620から、一時1.37台まで上昇したが、今週も引き続き弱めの売りシグナル1.3611が点灯している。中期チャートでは依然として、強い売りシグナルが点灯しており、1.37台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.3400〜1.3500)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 1.00円 現状乖離幅 0.90→0.55円
先週の様子見0.9891から若干上昇しており、今週は弱めの売りシグナル0.9933が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い売りシグナルが点灯しており、パリティ前後(1.0000)からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.9850)
▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 19.00円 現状乖離幅 20.05→18.70円
先週の買いシグナル0.7573から上昇に転じており、ポジョンション解消売りを伴い、今週は弱めの売りシグナル0.7722が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルが継続しており、0.78前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.7600〜0.7650)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 0.00円 現状乖離幅 −0.40→0.10円
先週の弱めの買いシグナル0.9952から上昇しており、今週はポジション解消売りを伴い、様子見1.0012が点灯している。中期チャートにおいては買いシグナルが点灯しており、0.99割れからの押し目買いに妙味が生じている。★様子見
▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 47.50円 現状乖離幅 49.60→48.10円
先週の売りシグナル1.6005から下落を速めており、今週は弱めの売りシグナル1.5859が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、1.6000前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.5700〜1.5750)
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −3.00円 現状乖離幅−3.55→−5.05円
先週の買いシグナル0.9588から下落しており、今週は強めの買いシグナル0.9421が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9600〜0.9700)
▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 18.00円 現状乖離幅 19.15→18.15円
乖離幅が縮小すると共に、今週はポジション解消(豪ドル円買い・NZ円売り)シグナルが点灯している。中期チャートにおいては弱めの強めの豪ドル円売り・NZ円買いシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。15.25→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→16.65→18.10→18.95→19.10→19.20→19.10→17.50→17.80→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月第1週は189.75円、第2週は190.25円、第3週は193.85円、第4週は195.10円。そして、今週はユーロ円111.75+ドル円82.10=193.85円。(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)
★欧州3大通貨比較
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 19.00円 現状乖離幅 19.70→18.45円
先週の弱めの買いシグナル0.8510から若干上昇しており、今週は逆に弱めの売りシグナル0.8583が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、0.86台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8500〜0.8550)
▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 25.50円 現状乖離幅 26.35→24.60円
先週の様子見1.3059から下げ足を速めており、今週は買いシグナル1.2823が点灯している。中期チャートおいても、買いシグナルが点灯しており、1.28割れからのナンピン売りに妙味が生じている。 ★売りターゲット(1.3000〜1.3100)
▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 44.50円 現状乖離幅 46.05→46.05円
先週の様子見1.535から下げ足を速めており、今週は通常の買いシグナル1.4940が点灯している。中期チャートおいては強めの買いシグナルが点灯しており、1.49割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.5200〜1.5300)