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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ買いに赤信号点滅!ロング自重局面?

ユーロドルは高値警戒感が浮上する中、連日のように上昇基調を強めている。先週は中国上海総合指数の反発に伴い、リスク選好が改善、そして、ドイツ1月IFO景気動向110.3と市場予想を上回り、東西ドイツ統一後、最高を記録したことが好感されたことがユーロの押し上げ要因になっているが、一部ではアジア、中東、そして、新興国などのソブリン系の買いが主だった動きとの見方も先行している。また、投機筋を含めて、ユーロショートの巻き戻しが急がれており、現状レベル1.36台でも天井観を見出すまでには至っていない。チャ−ト的には、節目と見られていた、1.3400、そして、1.3500を難なく突破する中、次の節目は1.37前後と見られるが、既に、年初来1.29台から700ポイント上昇しているため、ポジション解消売りが優先されても何ら不思議はなく、リスク的には急落を想定した上で、ナンピン売り志向で臨むことが得策であろう。
一方、IMM通貨先物市場においては、ユーロの大幅なショートの解消が優先されており、投機筋のポジションが既にロングに移行している可能性が強いが、同時に、ユーロの反動売りに対しても市場は警戒感を強めており、総じて、難易度の高い相場展開を強いられている。
他方、ドル円相場もドル売り基調を背景にして、下値を探る展開ではあるが、株式市場が決算期を迎える中、利益確定売りが優先されており、上値の重い状況ではあるが、株価との連動性が希薄になっており、ドル円82円割れでは実需の買いや利食い買いが散見されており、82円割れを想定させる地合いには至っていない。

今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年1月23日

▲ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1600 現状乖離幅0.1541→0.1547
A)100÷112.50=0.8889 B)1÷1.3620=0.7342(A−B=0.1547)
先週の様子見82.95円から弱冠下げてはいるものの、今週はほぼ様子見に近い弱い売りシグナル82.60円が点灯している。中期チャートにおいても、様子見シグナルが点灯しており、81~84円のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(82.00円)

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 28.50円 現状乖離幅 28.05→29.90円
先週の買いシグナル1.3384から上昇を速めており、1.35台ではポジション解消売りを伴い、一転して、今週は弱めの売りシグナル1.3620が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.35000〜1.3550)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 1.50円 現状乖離幅 0.90→0.90円
先週の様子見レベルの弱めの売りシグナル0.9891から変化は見られず、今週は同レートで様子見0.9891が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い売りシグナルが点灯しており、パリティ前後(1.0000)からのナンピン売りに妙味が生じている。
★様子見

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 19.00円 現状乖離幅 19.30→20.05円
先週の様子見0.7662から下落に転じており、今週は買いシグナル0.7573が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルが継続しており、0.7500〜0.7800のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.7650〜0.7700)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.00円 現状乖離幅 −0.90→0.40円
先週の弱めの買いシグナル0.9893から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.9952が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.99割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.0000〜1.0050)

▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 48.00円 現状乖離幅 48.70→49.60円
先週の様子見1.5875から上昇に転じており、今週は弱めの売りシグナル1.6005が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.5850〜1.5900)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −2.00円 現状乖離幅−3.10→−3.55円
先週の弱めの買いシグナルから若干下落しており、今週は買いシグナル0.9588が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9700〜0.9750)

▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 18.00円 現状乖離幅 18.40→19.15円
乖離幅が再度拡大傾向にあり、今週は再び豪ドル円売り・NZ円買いシグナルが点灯している。中期チャートにおいては依然として、強めの豪ドル円売り・NZ円買いシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。20.35→19.90→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→16.65→18.10→18.95→19.10→19.20→19.10→17.50→17.80→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月第1週は189.75円、第2週は190.25円、第3週は193.85円。そして、今週はユーロ円112.50+ドル円82.60=195.10円へと円安に傾斜している。(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)

★欧州3大通貨比較
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 19.00円 現状乖離幅 20.65→19.70円
先週の買いシグナル0.8431から若干上昇しており、今週は弱めの買いシグナル0.8510が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.84前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8550〜0.8600)

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 27.00円 現状乖離幅 24.95→26.35円
先々週の強い買いシグナルから、段階的に上昇を速めている。先週の買いシグナル1.2901から更に上昇しており、今週は弱めの買いシグナル1.3059が点灯している。中期チャートおいても、強めから弱めの買いシグナルに移行しており、1.2800〜1.3200のレンジ相場を形成している。 ★売りターゲット(1.3100〜1.3150)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 46.00円  現状乖離幅 45.60→46.05円
先週の弱めの買いシグナル1.5302から若干上昇しており、今週は様子見1.5357が点灯している。中期チャートおいては引き続き、買いシグナルが点灯しており、1.5200〜1.5500のレンジ相場を形成している。★様子見


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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