ドル円83円・ユーロドル1.35→調整売り強まる?
昨日の上海総合株式指数の大幅な下落を受けて、アジア株のみならず、欧州株式市場も下落基調の中、市場はリスク回避志向が強まっていたが、NY時間で米新規失業保険申請件数が改善、そして、12月中古住宅販売件数は528万件と事前予想の3倍近くまで上昇、昨年5月(566万件)以来の高水準を記録したことを受けて、NYダウは下げ渋っている。そして、米10年債入札結果が不調に終わったことから、米国債利回りが再度3.5%近くまで上昇したことを好感して、ドルが急速に買い戻されている。
ドル円はストップを巻き込見ながら、83円台まで上昇、ユーロドルも一時1.34割れへと神経質な展開を余儀なくされている。ただし、米中古販売件数の改善には住宅価格の下落が加味されており、また、長期金利の上昇を懸念した駆け込み需要も観測されている。先のベージュブック(地区連銀経済報告)で住宅市場は全域で低迷しているとの報告があるため、単月の住宅関連指標の数値では楽観視できない状況である。
いずれにしても、再度、米長期金利の利回りが上昇したことを受けて、原油及び金価格が大幅に下落、当面、ドルは米長期金利と連動する可能性が強まっているが、反面、悪い金利上昇に繋がる可能性も否定できず、10年債利回り3.5%台を
維持するには、雇用情勢と住宅関連の明確な改善結果が求められるだろう。
そして、ドル全面高は、この数日間におけるユーロドルやポンドの急ピッチな買い戻しの反動とも言えるだけに、ドルが更に上昇するには材料難と言えるだろう。むしろ、本日は特段の経済指標もない中、週末を控えたポジション調整の展開と判断し、相対的にドルの調整売りに傾斜する可能性が高いだろう。
ペットチャート公開(1月17日作成)