ユーロドル再三のリバウンドに警戒感強まる?
EU財政危機に揺れる中、昨日、スペイン短期国債入札が実施され、応募金額には達してはいないが、利回り自体は前回よりも低下したことを受けて、一時的にユーロ買いに弾みがつく中、ロシアによるスペイン国債購入検討との観測報道や、スペイン財務相が「中国はスペイン債の購入を増やしている」と発言したことなどが、ユーロ買いを誘発したが、その後、ロシア側はスペイン債購入を否定したことを受けて、ユーロは上昇幅を解消するなど、神経質な展開を余儀なくされている。また、ユーロドルのリバウンドに警戒感を強める中、ノボトニー・オーストリア中銀総裁が「トリシェECB総裁のインフレに関する声明は、一方的に解釈されている」との発言を受けて、再び1.34台の上値の重さが意識されている。
一方、EU首脳会合を通じて、EFSFの基本的概念である枠組みは発表され、規模拡大についての明確性は欠如しているが、オランダ財務相が「ユーログループはEFSF(欧州金融安定ファシリティー)の規模を7500億ユーロに拡大するアイデアを拒否した」との報道が伝わるなど、市場参加者は難解な相場展開に一喜一憂させられているのが現状である。
他方、米国サイドにおいても、米債先物市場で米長期金利が上昇する中、誤発注との噂が先行、その後、電子取引プラットフォームのトレードウェブは「憶測は誤り」との声明を出し、噂を一蹴されたものの、市場はポジショントーク的な観測報道に振り回されており、難解な相場展開に翻弄されている。