ユーロドル不安定な上昇局面!1.34前後に天井感?
欧州市場序盤はスペインとイタリアの国債入札は無難に消化された事を受けて、市場はユーロ買いに反応し、一時1.32台を窺う動きを見せ、ユーロ主役の相場展開になっている。トリシェECB総裁がユーロ圏の短期的なインフレ懸念に言及、「金利と非標準的措置は別の物であり、連携していない」とし、債務問題への対処と”インフレ問題”への対処は別物であるとの考えを示したことが材料視されたが、一部では近い将来、利上げの可能性を示唆するとの思惑が働き、ECB側によるタカ派的な発言が相次ぐ中、欧州通貨を中心に米ドル売りが優勢になっている。ユーロドルはストップロスを大量に巻き込み1.33ドル台半ばまで急伸している。その後、サルコジ仏大統領の「ユーロドルの水準は前より良くなっているが、依然として高すぎる」とコメントしたものの、ユーロショートの買い戻し動きを阻止するには至らず、依然として、損失確定買いが優先されている。
根底には、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大や欧州高債務国の信用不安を鎮静化させる報道などが寄与しているため、市場のコンセンサスはユーロ買いに安堵感をもたらしている。
一方、バーナンキFRB議長はパネルディスカッションにおいて、「第4四半期GDPの予想が3-4%というのは理に適っているが、失業率を押し下げるには不十分だ」と言及したこともドル売りを誘引しているが、ドル買いの推進力である米長期金利の低下もドル売りに反応している。
他方、ユーロドルにも過熱感と共に高値警戒感が生じている。既にユーロドルは直近の安値から300Bbts以上巻き返しており、この数ヶ月間においては1.34台では幾度となく跳ね返されている状況を踏まえると、同レベルではショートに転じることが一考であろう。
ペットチャート公開(1月10日分)