ユーロドル一進一退!押し目買い優先?
本日予定されているポルトガルの国債入札に対する懸念が燻る中、市場ではECB(欧州中銀)がポルトガル国債を買い入れているとの憶測から、ポルトガルやスペインなどの重債務国とドイツ債との利回り格差が縮小傾向にあり、ユーロドルが底堅い状況になっている。しかしながら、ポルトガルのソクラテス首相が再度「ポルトガルは支援要請をしない」と表明するなど、ユーロは混迷を極めている。
一方、日本政府側は既に野田財務大臣がアイルランド救済のため発行される欧州金融安定基金(EFSF)の初回発行額の20%超(1,000億円)の購入を示唆しているが、市場では相変わらずポルトガルやスペインに対する警戒感を強めており、積極的なユーロ買い相場には至っておらず、上昇局面ではポジション整理と利益確定売りに押されやすい外部環境になっている。
補足的になるが、財務省は外貨準備高における外国為替資金特別会計でユーロ資金を充当するとしているが、更にユーロドル安が進行する事態にでもなれば、財務省はユーロ円に対する単独介入も視野に入れなければならず、外貨準備高を再利用することが選択肢の一つであろう。ただし、外貨準備高の流用は直接ユーロ買いには繋がらないだけに、ユーロの下支えにはなるが、上昇材料としては希薄と言える状況であろう。
いずれにしても、日米欧がユーロ安定化に向けて、漸く協調姿勢を強めていることは間違いないが、本日もEUが重債務国への救済資金拡大を協議しているとの
報道が伝わっているだけに、過度なユーロショートは敬遠すべき状況であろう。その他では、豪ドルは洪水の影響を受けて軟調に推移する中、ブリスベン州都に急接近しており、予断を許せない状況であるが、一部報道では、早くもRBAは経済成長率見通しを引下げ、当面金利の引き上げは見送るとの憶測が先行しており、豪ドルの重石になっているが、利下げ観測が無い以上は豪ドルの下落幅は限定的と判断するのが順当であろう。