債券利回りに左右される展開!賞味期限短し?
総じて手掛かり難の中、一昨日は低調な米5年債入札結果を受けてドル買いが先行したが、昨日米財務省が実施した米7年債入札が好調に終わり、米長期金利の低下と共に、市場のコンセンサスはドル売りが優先されている。
最近の為替市場は米国債利回り動向に敏感に反応している状況であるが、米政府の景気浮揚対策を基に超低金利政策の継続性や長期化が既成事実となっており、同時に、ドルの過剰流動性が問われる中、米長期債利回り自体に高値警戒感と共に違和感が生じている。それ故に、長期金利の水準の良し悪しが入札結果に表れていると判断するのが正解であろう。いずれにしても、米10年債利回り3.5%前後は金融機関のみならず、機関投資家や新興国にとっては投資対象としては魅力的な水準であり、入札結果の好悪にかかわらず、3.5%前後ではドル売り圧力が生じ易い展開であろう。
一方、年末を控えて円高意識が強まり、一部では本邦出企業の円買い需要が観測されているが、同時に、輸入企業のドル買い・円売り需要も81円台半ば前後から81円割れまで断続的に散見されており、再び、こう着度を強めている。
他方、ユーロドルは1.32ドル台まで回復したものの、米債券利回りの低下余地が限定的であることから、更に上値を追う展開には至っていない。
それでは、皆さま、欲張らずに、よいお年をお迎えください。