国債格下げ競争激化!沈静化後にユーロ反発?
ユーロ圏では連日のように格付け機関による格下げの嵐が渦巻いている。その中で、為替相場はユーロがスイスフランでユーロ導入以来の最安値を更新、対ドルでもユーロは1.31台を割り込み、再度1.300割れを意識させられる外部環境にあり、格下げ問題が市場を攪乱している。
昨日は、市場はクリスマス休暇を控えて、市場流動性が乏しい中、格付け機関ムーディーズがポルトガルの格付け見通しを引き下げたが、中国がEU支援策を講じるとの報道を受けて、一時ユーロドル売りは後退したものの、その後、格付け会社フィッチがギリシャの長期国債をジャンク級まで引き下げる可能性を示唆したことから、更にユーロ売りに拍車がかかっている。
財政危機に直面しているギリシャ、ポルトガル、スペイン、そして、アイルランド国債の利回りが上昇する中、格下げ見通しが相次いでいる以上、リスク回避を前提にした動きにならざるを得ない。しかしながら、視点を変えれば、米国の財政赤字拡大懸念は根強く、同時に、日本の財政事情も厳しい状況下にあり、一部メディアでは米国債及び日本国債の格下げ論も浮上しているように、過剰流動性資金が世界株式市場や商品市場へシフトされており、株高、金高に繋がっている。反面、世界経済の景況感と比すれば、現状の株式及び商品市況に過熱感があると言わざるを得ないだろう。
補足的になるが、リーマンショック後に米金融機関に対する格下げ論が激化した記憶は新しいが、今回は国の信用問題に関わる国債の格下競争なだけに、より深刻な状況である事は確かであるが、多少なりとも格付け会社の先走りの感は否めず、格下げ競争とも言われる所以であるが、フランス国債まで格下げ論まで波及した現状を踏まえれば、材料出尽くし感と共に、ユーロの反発時期も視野に入れて臨むことが必要であろう。
追記:昨日、本は読んでおりませんでしたが、評判を聞いて、『最後の忠臣蔵』を鑑賞してきました。なかなかの出来栄えでした。相場を離れて、是非、足を運んでください。