米長期金利に一喜一憂!ドル買い戻し優先?
NY序盤に発表された米経済指標は新規失業保険、経常収支、住宅着工などの結果はまちまちであったが、先のNY連銀に続いて、12月フィラデルフィア連銀景況指数は24.3と市場予想15.0を大幅に上回り、2005年4月以来の高水準となり、NYダウが反発、年初来高値を更新する中、2年3カ月ぶりの高値圏まで上昇へと株式市場の追い風になっている。項目別でも景気先行指数や設備投資などが改善されており、これらの数値を好感して、一時、債券利回りが上昇、ドル円は一時84台半ば、そして、ユーロドルは1.31台後半へとドル買いが進行したが、米国債利回りには高値警戒感と共に、買い戻す動きが早まり、3.43%まで低下したことを受けて、再度、ドル売りに傾斜し、ドル円は84円、ユーロドルは1.32台前半へと値を取り戻して引けている。
為替市場は依然として、米長期金利の動向に左右される展開が続いているが、一連の米経済指標の改善と共に米景気回復期待が増幅する中、米長期金利の高止まりを背景にして、ドルの戻り買い志向が強まっている。
一方、格付け機関ムーディーズが昨日のスペイン国債の引き下げに続いて、ギリシャのソブリン債格付けを引下げる可能性が報じられる中、この日実施されたスペイン10年国債入札の応札倍率は1.67と前回(1.84)を下回り、平均落札利回りが5.446%(前回4.615%)に上昇したこともユーロドルの重石になっている。いずれにしても、米欧の経済格差の広がりがマーケットに浸透しつつあることは否めず、市場のセンチメンタルは徐々にドル買い・ユーロ売りに傾斜、そして、円は中途半端レンジ相場に陥っているのが現状と言えるだろう。