不安視される米長期金利上昇!米10年債3.5%に赤字信号点滅?
昨日はFOMC政策金利の発表を控えて、緊張感が高まる中、為替相場は小動きに終始していたが、11月小売売上高や生産者物価指数が、それぞれ予想を上回ったことから、米景気回復の先行きに楽観的な見方が広がり、FOMCの発表を待たずに、米長期金利利回りの上昇を背景にして、ドル円は82円台後半から83円台半ばまで上昇、そして、ユーロドルは1.35台寸前まで上昇したものの1.33ドル台半ばまで急落するなど、ドルの買い戻しが優勢になっている。
その後、NY時間午後にFOMCが公表されたが、政策金利は据え置きとなる中、FOMC声明の内容は前回を踏襲したこともあり、市場への反応は限定的と皮肉な結果になっている。前回11月のFOMCでは景気回復が遅れるとの見方があったが、今回は景気回復が継続しているものの、雇用情勢の改善には不十分とし、6000億ドル規模の国債購入が正当化されている。当面、劇的な労働市場の改善が無い限りは、現状のゼロ金利政策の長期化を余儀なくされている。
いずれにしても、米経済はFOMCの超低利金利政策を軸にして、様々な景気浮揚策に取り組んでいることは評価されているが、反面、垂れ流し的な金融緩和策に対しては賛否両論が渦巻いており、悪い長期金利の上昇に繋がっていることが指摘されている。現状では為替相場と米長期金利との連動性が高い相場なだけに、米財政事情の悪化を睨みながら、今後も米長期金利の動向に注視して臨むことが賢明であるが、米10年債利回りが3.5%前後では高値警戒意識が強いため、当面、過度なドルロングは自重すべきだろう。
一方、今朝発表された日銀短観に関しても、株・為替市場共に反応薄であるが、市場はビックイベントを終え、次の材料探しの場と化している。