株価堅調地合い!ドル買い戻し局面、接近中?
米11月雇用統計における失業率が9.8%と昨年12月以来の水準に逆戻り、ドル売りが加速する中、ドル円は82円台半ばへと急落、そして、ユーロドルは1.32前後から1.34台半ば近辺まで急上昇している。市場では米雇用情勢に対する回復期待が高まっていた矢先でもあり、完全に肩透かしを食った恰好でポジション解消(米ドル売り)に圧倒されている。その後、米国株式が下げ幅を縮小したことからドル円は値を戻す場面も見られたものの上値は限定的になっている。
一方、欧州市場ではECBによる国債買い入れ観測を背景にユーロ圏の信用不安後退を受けて、ユーロの戻り買い期待が強まる中、米雇用統計の上振れ期待と共にリスク選考型のユーロ買い局面であったが、米長期金利が一時3.04%台へと利食い局面に差し掛かっていたことも米ドル売りを誘引している。
いずれにしても、米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+3.9万人と予想の+15万人を大幅に下回り、失業率までも9.8%へと上昇したことから、米労働市場の回復期待が後退、その後、米ISM非製造業総合景況指数は改善されたものの、ポジション解消売りが優先されており、ドルの上昇は限定的になっている。
他方、バーナンキFRB議長が6000億ドル超の米国債購入を否定せずと述べたことも、追加的金融緩和策の観測が高まったこともドル売りを優勢にしている。
しかしながら、NYダウは米雇用統計の大幅悪化を受けて反落して始まったが、バーナンキFRB議長の発言を受けて19ドル高で引けており、株価への影響は限定的になっている。
いずれにしても、ユーロ圏におけるソブリン・リスクは一向に払拭されておらず、また、米株式市場が好調なだけに、今回の米雇用統計の数値だけでは更にドル売りを強行する難しさがある。同時に、米経済が二番底懸念を回避するために、バーナンキFRB議長は米国債購入規模拡大の可能性を否定していない以上、過度なドル安期待は禁物であり、再度ドル売りが加速すれば、ドルの戻り買い好機と見なすことも一考であろう。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年12月05日
▲ドル円ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1650 現状乖離幅0.1428→0.1574
A)100÷110.85=0.9021 B)1÷1.3428=0.7447
(A−B=0.1574)
先週の売りシグナル84.10から下げ足を速めており、ポジション解消買いに伴い、様子見82.55円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、81〜85円のレンジ相場を形成している。★様子見
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 27.00円 現状乖離幅 27.25→28.30円
先週の様子見1.3240から上昇しており、今週は弱めの売りシグナル1.3428が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.3000〜1.3500のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.3300)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 4.00円 現状乖離幅 3.05→0.55円
先週の弱めの売りシグナル0.9637から上昇に転じており、今週は通常の売りシグナル0.9937が点灯している。中期チャートにおいては、再び、強めの売りシグナルが点灯しており1.0000のパリティ前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.9500〜0.9600)
▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 21.00円 現状乖離幅 21.05→19.00円
先週の様子見0.7498から再び上昇に転じており、今週は売りシグナル0.7674が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、0.77台からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット (0.7450〜0.7550)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 2.00円 現状乖離幅 1.80→0.25円
先週の様子見1.0219から下げ足を速めており、今週は買いシグナル1.0003が点灯している。中期チャートにおいては、ほぼ様子見が続いており、0.9950〜1.0350のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.0150〜1.0200)
▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 48.00円 現状乖離幅 46.95→47.70円
先週の弱めの買いシグナル1.5583から上昇に転じており、今週はポジション解消売りに伴い、様子見1.5778が点灯している。中期チャートにおいても様子見が点灯しており、1.5500〜1.6000のレンジ相場を形成している。★様子見
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −1.00円 現状乖離幅 0.30→−2.30円
先週の弱めの売りシグナル1.0036から下げ足を速めており、再びパリティ割れが生じている。今週は買いシグナル0.9725が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9900〜0.9950)
▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 16.50円 現状乖離幅 18.00→18.65円
乖離幅が若干拡大傾向にあり、今週は通常の豪ドル円売り・NZ円買いが点灯している。
中期チャートにおいても同様なシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の
通り。20.35→19.90→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→15.90→16.65→16.65→18.10→18.95→19.10→18.90→19.20→
19.10→17.50→17.80→17.50→17.30→18.00→18.65円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月第1週は192.45円、第2週は195.50円、第3週は195.55円、第4週は197.60円、第5週は195.45円、そして、今週はユーロ円110.85+ドル円82.55=193.40円と再び円高局面。目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面
★欧州3大通貨比較
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 21.00円 現状乖離幅 19.70→19.90円
先週の弱めの売りシグナル0.8511から若干下落に転じているが、今週も引き続き弱めの売
りシグナル0.8511が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯し
ており、0.86前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.8400〜0.8450)
▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 26.00円 現状乖離幅 27.55→26.00円
先週の弱めの売りシグナル1.3288から下げ足を速めており、今週は一転して、弱めの買いシグナル1.3064が点灯している。中期チャートおいては強めの買いシグナルが点灯しており、1.3000割れからの押し目買いに妙味が生じている。 ★売りターゲット(1.3200〜1.3250)
▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 47.00円 現状乖離幅 49.25→47.25円
先週の様子見1.5638から下げ足を速めており、今週は弱めの買いシグナル1.5351が点灯している。中期チャートにおいては買いシグナルが点灯しており、1.53前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.5550〜1.5600)