株高・ユーロ高に過熱感!利食い局面接近中?
ECB欧州中央銀行は政策金利の据え置きと無制限の資金供給措置の延長を公表する中、内容的には市場の予想範囲内であったことから、相場への影響は限定的であったが、その後、欧州中央銀行がアイルランドとポルトガルの国債を買い入れていたとの噂が先んじて、再度ドル売り・ユーロ買いに傾斜、ユーロドルは一時1.32ドル台半ばへと上昇したものの、短期的な株高の過熱感も踏まえて、利益確定売りに圧されている。
注目されたトリシェECB総裁の声明文では、現在の主要金利は適切としながらも、3ヵ月物資金供給を来年3月まで維持、緊急の流動性供給の引き揚げを遅らせる意向を示し、出口戦略には不透明性を残しているのが現状である。
しかしながら、スペイン国債入札が前回よりは利回りは上昇しているものの、ドイツ債との利回り格差が縮小したことを受けて、市場全般には安堵感と共に、ユーロドルの底堅い状況を作り出している。また、トリシェ総裁の記者会見では、「経済を取り巻く不透明性は高まっている」「経済見通しのリスクは下方に傾いている。」ことを示唆しており、過度なユーロドル高は敬遠すべきであろう。
一方、NYダウは連日クリスマス商戦の好調が伝えられる中、米11月ADP全国雇用者数が予想以上の好結果となったことから続伸、本日発表される11月米雇用統計の失業率が前回同様に9.6%予想であるが、一連の経済指標においても雇用情勢の改善が続いており、非農業部門雇用者数に関しては期待感が増しているため、ドルの買い戻しを前提に戦略性を高めることが賢明であろう。
ペットチャート公開(11月29日分)