地政学的リスクで仕切り直し相場へ突入!
北朝鮮が韓国への砲撃を端に発し、朝鮮半島情勢の緊張感が高まっている。
株・為替、そして、債券市場までも予想外の地政学リスクを背景にして、リスク回避志向が強まり、ポジション解消が急がれている。その中で、昨日はFOMC議事録が公表されたが、量的緩和の成果について評価する一方で、ドル安やインフレリスクを招くとの懸念も示されており、FRB内でも評価が分かれている。そして、GDP並びに失業率が下方修正されており、米経済に対する先行き不安は解消されておらず、NYダウはアジア及び欧州株式市場の流れを引き継ぎ、大幅に下落するなど、地政学的リスクが加わり、世界経済に対する不安感が増幅している。
一方、EU圏ではアイルランド問題を契機に金融危機が他のユーロ圏諸国周辺諸国への波及懸念が拡大する中、メルケル・ドイツ首相がユーロは「非常に深刻な状態」と強い危機感を示し、また、リプスキーIMF筆頭副専務理事が「欧州のソブリン問題に波及する可能性がある」と言及したことから、ユーロドルは狼狽的なストップロス売りを浴びながら、1.36台半ば前後から1.33台半ば前後まで急落している。市場は様々なリスク回避志向に伴い、安全通貨であるドル買いと円買いに傾斜しているが、ユーロドルは既に前日比300bpts程度まで下落しており、調整的なユーロ買いが優先される可能性を踏まえて、下値は限定的であり、現状レベルからの過度なショートは禁物であろう。
補足的になるが、本チャート上においては、ユーロドルは継続的な売りシグナルが点灯していたが、1.33台半ば前後ではポジション解消買いを示している。また、ポンドドルも同様に1.58台半ばではポジション解消方向にあり、仕切り直しの段階に直面しており、相場が大きく動意づくまでは逆張り待機で臨むことを勧める。
★ペットチャート公開(11月22日分)