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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

不十分なドル買い戻しも!利食い優先のドル売り相場?

先週の米11月ミシガン大学消費者信頼感指数の速報値は2010年6月以来の高水準を記録、そして、構成項目である現在景況感や先行景況感が前回から拡大した事が好感され、リスク選好の円売り・ドル買いがしている。
一方、ユーロドルは、一部メディアがユーロ圏関係者のコメントとして、「アイルランドが金融支援プログラムを受ける可能性、非常に高い」と報じた事がユーロの重石となり、下げ基調を強めているが、過去最大を記録したドイツ国債との利回り格差が縮小したこともあり、ユーロは若干買い戻されているが、アイルランドにおけるソブリン・リスクが他のユーロ圏諸国に波及するとの見通しもあり、ECB/EUの支援対策次第ではユーロ相場が大きくぶれる可能性があるだろう。他方、米国債利回りは10年債利回りが2.78%まで上昇したことを受けて、日米金利差を背景に円売りが加速、ドル円は82円台半ばまで上昇しているが、反面、米国債離れの懸念もある中、長期債利回りの高止まりが予想されるだけに、ドル円の上昇は限定的と言わざるを得ないだろう。
また、NYダウにも一服感が生じているように、株価水準は追加緩和策決定した以前のレベルまで下げ基調を強めており、株および為替市場共に、利益確定売りを伴うポジション調整売りが優先される恰好になっている。同時に先週の上海総合株価指数は中国の金融引き締め観測から、5.15%と大幅に下落しており、相対的に積極的なポジションを取りづらい状況である。
本日発表されたGDPの改善や円安地合いを受けて、日経平均株価は堅調に推移しているが、米金融緩和策によるドルの過剰流動性に市場は批判的であり、リスク選考の円高懸念は払しょくされていない。当面、中国株及びNY株の動向を注視しながら、直近のレンジ幅の中で売買を模索することが得策であろう。

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今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
チャートは後日公開予定

▲ドル円ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1600 現状乖離幅0.1633→0.1643
A)100÷113.00=0.8850 B)1÷1.3689=0.7305(A−B=0.1643)先週の様子見81.35円から上昇に転じており、今週は弱めの売りシグナル82.55が点灯し
ている。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、81円前後からの押し目買いに妙味が生じている。★買いターゲット(81.50〜82.00)

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅27.00円 現状乖離幅 32.80→30.45円
先週の強い売りシグナル1.4032から急落しており、今週は通常の売りシグナル1.3689が点灯している。中期チャートにおいては、通常の売りシグナルルが点灯しており、1.38台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット (1.3250〜1.3400)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅5.00円 現状乖離幅 −1.15→1.20円
先週の強い売りシグナル1.0141からパリティ割れへと下げ足を速めているが、依然として、今週も強めの売りシグナル0.9855が点灯している。中期チャートにおいても、強めの売りグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.9350〜0.9500)

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅21.50円 現状乖離幅 16.65→20.50円
先週の強い売りシグナル0.7953から下落を速めており、今週は強めの売りシグナル0.7735が点灯している。中期チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7400〜0.7500)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅1.50円 現状乖離幅 0.05→0.85円
先週の買いシグナル1.0006から若干上昇に転じており、今週は弱めの買いシグナル1.0104が点灯している。中期チャートにおいては、ほぼ様子見圏内にあり、1.0000割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.0150〜1.0200)

▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅48.00円 現状乖離幅 50.30→50.60円
先週の売りシグナル1.6183から若干下落しているが、今週も通常の売りシグナル1.6130が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.62台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.5700〜1.5800)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅−0.50円 現状乖離幅 −3.25→−1.85円
先週の強めの買いシグナル0.9616から上昇しており、今週は弱めの買いシグナル0.9778が点灯している。中期チャートにおいても、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、0.97前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9900〜1.000)

▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅16.50円 現状乖離幅 17.80→17.50円
乖離幅は先週から変化はなく、様子見レベルで推移している。中期チャートでは弱めの豪ドル売りNZドル買いシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
20.35→19.90→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→15.90→16.65→16.65→18.10→18.95→19.10→18.90→19.20→19.10→17.50→17.80→17.50円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月第1週は192.45円、第2週は195.50円、そして、今週はユーロ円113.00+ドル円82.55=195.55円と変化なし。目安*190円以下は円売り局面⇔205円以上は円買い局面

欧州3大通貨▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離21.00円 現状乖離幅 16.90→17.50円
先週の売りシグナル0.8671から下落に転じており、今週はポジション解消買いと伴い、様子見0.8487が点灯している。中期チャートにおいても様子見圏内にあり、0.8300〜0.8700のレンジ相場を形成している。
★様子見

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離26.50円 現状乖離幅 29.55→28.85円
先週の売りシグナル1.3493から若干下落しており、今週は弱めの売りシグナル1.3428が点灯している。中期チャートおいては逆に買いシグナルが点灯しており、1.3200〜1.3700のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(1.3250〜1.3300)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離47.50円  現状乖離幅 47.05→49.00円
先週の様子見1.556から上昇を速めているが、今週は弱めの売りシグナル1.5823が点灯している。中期チャートにおいては強めの買いシグナルから通常の買いシグナルに移行しており、1.5500〜1.6000のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(1.5500〜1.5600)


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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