G20控えてポジション調整主体!ドル買い戻し優勢?
G20首脳会合『サミット』におけるドル安是正論が高まる中、米9月貿易収支の赤字額が市場予想より減少していたことが好感され、ドルの買い戻しの動きが優勢になっている。また、米企業の好決算を背景にして、NYダウは一時100ドル超の上昇となっているが、為替同様に、上昇局面では段階的に利益確定売りが視野に入っており、終値では伸び悩んではいるものの、持続的な米超低金利政策を背景にして、株式市場は底堅い状況にある。現状では米長期金利の上昇や同時に、株式市場が牽引役となり、ドルショートを手仕舞う動きが優先されている。
本日ソウルで開催されるG20においては、世界経済の不均衡是正がテーマになるが、最大赤字国である米国が垂れ流し的な追加金融緩和政策を維持する限り、貿易不均衡の解消には繋がらないとの見方が大勢であり、更に通貨安競争問題が絡むだけに、相対的には米国のドル安容認姿勢は相容れない環境であろう。また、新興国並びに他の先進国もドルの独歩安には懐疑的であるが、問題視されている人民元切り上げに関しても、中国当局は準備率を引き上げるなど、段階的に水準を切り上げている以上、米国の人民元切り上げ圧力も萎えており、今回のG20はドル安と同様に、米国の金融政策の指針が問われる状況にあるだろう。
それ故に、一時的にも、米当局が主張している『強いドルは国益』であることを実証する必要性が浮上しており、ドルの底堅い状況が予想される。