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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米ドル過剰流動性激化!一触即発モード?

先週末の米10月雇用統計で非農業部門雇用者数変化が予想『6万人増』を大幅に上回る結果(15.1万人増)となり、先の米追加金融緩和策を織り込みながら、NYダウが年初来高値を更新する中、米長期債の利回り上昇も手伝い、ドル買いを後押しした恰好である。その後、米9月中古住宅販売成約の結果が予想を下振れたことを背景にして、ドルの戻り売りが優勢となり、ドル円は81円台半ば前後で伸び悩み、同時に、ユーロドルはアイルランドなどの財政懸念を背景に対ユーロ売りが加速したが、ストップロス売りが一巡後は1.40台前半で下げ渋っている。
ただし、オバマ米大統領が述べているように、10月の米雇用統計の結果は心強いニュースであるが、失業率は依然として容認できない高水準『9.6%』で推移しており、楽観視はできない状況である。
一方、株式市場がリーマン・ショック前の水準に戻っている反面、米国はデフレ回避のために第二弾の追加金融緩和策『6,000億ドル』を余儀なくされたが、更に米ドルの過剰流動性が増すだけに、世界経済におけるドルの基軸通貨としての付加価値が弱まりつつある。
他方、だぶついたドルマネーが株式市場や商品市場を席巻しており、一見して、世界経済の好況感を覚える反面、ドルの信認性が問われている状況下では、ドルの上昇は限定的と言わざるを得ないだろう。
そして、11日にソウルで開催されるG20サミット財務相会合を控え、早くも新興国側からは、米金融当局の追加的量的緩和策を問題視する動きが起きているが、過度なドル安が各市場の混乱を招いており、将来的にも株バブルや商品バブルの崩壊に繋がる可能性があり、米当局としても、無闇にドルの垂れ流しを放置来ない環境にあるだろう。


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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年11月07日

▲ドル円ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1600 現状乖離幅0.1643→0.1746
A)100÷114.15=0.8760 B)1÷1.4032=0.7127(A−B=0.1633)
先週の弱めの買いシグナル80.35円から若干上昇に転じており、今週はポジション解消売りに伴い様子見81.35円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、80円前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★様子見

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅27.00円 現状乖離幅 31.55→32.80円
先週の強めの売りシグナル1.3922から上昇しており、今週は強い売りシグナル1.4032が点灯している。中期チャートにおいては、強めの売りシグナが点灯しており、現状レベル
からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット (1.3250〜1.3400)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅5.00円 現状乖離幅 1.55→−1.15円
先週の強目の売りシグナル0.9807からパリティ超えへと上昇を速めており、今週は強い売りシグナル1.0141が点灯している。中期チャートにおいても、強い売りシグナルに移行しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.9400〜0.9550)

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅21.50円 現状乖離幅 19.05→16.65円
先週の強めの売りシグナル0.7632から上昇を速めており、今週は強い売りシグナル0.7953が点灯している。中期チャートにおいては通常の売りシグナルから強めの売りに移行しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.7350〜0.7450)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅1.50円 現状乖離幅 1.70→0.05円
先週の様子見1.0216から下げ足を速めており、今週は通常の買いシグナル1.0006が点灯している。中期チャートにおいては、様子見が点灯しており、1.0000割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.0200〜1.0250)

▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅48.00円 現状乖離幅 48.45→50.30円
先週の売りシグナル1.6022から上昇に転じており、今週は強めの売りシグナル1.6183が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.62台からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.5700〜1.5800)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅−0.50円 現状乖離幅 −1.30→−3.25円
先週の買いシグナル0.9807から一時0.99台でポジション解消売りに直面したが、再び下落に転じており、今週は強めの買いシグナル0.9616が点灯している。中期チャートにおいても、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9900〜1.000)

▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅16.50円 現状乖離幅 17.50→17.80円
乖離幅は縮小傾向にあり、短期チャートでは様子見圏内にあり、中期チャートは弱めの豪ドル売り・NZドル買いシグナルが発生している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。20.35→19.90→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→15.90→16.65→16.65→18.10→18.95→19.10→18.90→19.20→19.10→17.50→17.80円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月第1週は192.45円、そして、今週はユーロ円114.15+ドル円81.35=195.50円。(目安*190円以下は円売り局面⇔205円以上は円買い局面)

★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離21.00円 現状乖離幅 16.90→17.50円
先週の売りシグナル0.8689からは変化はなく、今週も通常の売りシグナル0.8671が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、0.87台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.8400〜0.8500)

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離26.50円 現状乖離幅 30.25→29.55円
先週の強めの売りシグナル1.3700から下落を速めており、今週は通常の売りシグナル
1.3493が点灯している。中期チャートおいては様子見圏内から買いシグナルに移行しており、1.3200〜1.3700のレンジ相場を形成している。 ★買いターゲット(1.3200〜1.3300)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離47.50円  現状乖離幅 47.15→47.05円
先週の売りシグナル1.5788から下げ足を速めており、今週はポジション解消売りに伴い、様子見1.5561が点灯している。中期チャートにおいては依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、1.55割れからの押し目買いに妙味が生じている。★様子見

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★★本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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★ペットチャート閲覧は後日公開予定
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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