ドル円急反発も一時的!介入は時期尚早?
FOMCの追加金融策の動向を探りながら、市場は緊張感を強めている。先週末の米第3四半期GDPが事前予想と同じ2.0%になっているが、項目別では民間住宅投資がマイナス29.1%になっており、概ね、FRBが大幅な追加緩和に踏み切るとの見方が広がっている。また、米ミシガン大学調査の消費者景況感指数が下方修正され、同時に、第3四半期の米個人消費支出価格指数の鈍化傾向が示されたことも追加金融緩和期待に繋がっている。加えて、先のIMF報告が米ドルの下落余地があることを指摘したことも支援材料になっており、市場はポジション解消並びに利益確定売りが優先されており、ドル全面安の展開を余儀なくされている。
一方、ドル円はG20以降、日本政府の介入警戒感は遠退いているが、ドル売りの流れを引きずり、早朝からドル円80円割れを試す展開であったが、一気に81円台まで上昇、政府・日銀の介入、それとも自律反発との見解が分かれており、神経質な展開に陥っている。
いずれにしても、11月3日のFOMCの結果発表後には、前倒しされた日銀金融決定会合が控えている関係上、加速的な円買い志向はレベル的には希薄になっている。反面、ドル円相場は戻り売り(利益確定・実需)が81円台では優先されており、遅かれ早かれ、市場最安値79.75円を試す展開が有力視されており、FOMCの結果を見るまでは動きづらい展開であろう。
当面、FOMCの緩和規模が5千億ドルを上回るか下回るかで米ドルの方向性を見出すしかないが、FRBは前回1兆ドルの緩和策を実施しており、FRBのバランスシートの悪化を考慮すると、大規模な追加緩和策には限界が見え隠れしている。
他方、日本政府・日銀が過度な円高を意識していることは明白であり、当面、80円割れでは単独介入が必至と見るのが現実的であろう。それ故に、FOMCの追加緩和規模を見るまでは、円買いを強行するリスクが生じている。
一方、ユーロドルも米金融緩和期待から、再び、1.38ドル台前半から1.39台後半へと上昇、ポンドも1.600台に突入しており、多少なりとも過熱感が生じている。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年10月31日
▲ドル円ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1600 現状乖離幅0.1643→0.1746
A)100÷112.00=0.8929 B)1÷1.3922=0.7183(A−B=0.1746)
先週の弱めの買いシグナル81.35円から若干下落しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル80.45円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、80円前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(81.50〜82.00)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅27.00円 現状乖離幅 32.10→31.55円
先週の強い売りシグナル1.3946から変化は見られず、今週も強い売りシグナル1.3922
が点灯している。中期チャートにおいては、強めの売りシグナが点灯しており、1.4000台が重石になっており、同レレベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット (1.3150〜1.3350)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅6.00円 現状乖離幅 1.40→1.55円
先週の強い売りシグナル0.9828から若干下落しているものの、今週も引き続き強い売りシグナル0.9807が点灯している。中期チャートにおいても、強めの売りシグナルが点灯しており、0.98台半ば前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.9200〜0.9400)
▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅22.50円 現状乖離幅 20.00→20.50円
先週の売りシグナル0.7480から上昇を速めており、今週は強めの売りシグナル0.7632が点灯している。中期チャートにおいては通常の売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7200〜0.7300)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅2.00円 現状乖離幅 1.70→1.70円
先週の様子見1.0265から変化はなく、今週も引き続き様子見1.0216が点灯している。中期チャートにおいては、弱めの売りシグナルが点灯しているが、1.0000〜1.0400のレンジ相場を形成している。★様子見
▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅49.00円 現状乖離幅 46.25→48.45円
先週の様子見1.5685から上昇を速めており、今週は通常の売りシグナル1.6022が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルに移行しており、1.61前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.5750〜1.5850)
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅0.50円 現状乖離幅(−)3.55→(−)1.85円
強い買いシグナルから段階的に上昇している。先週の買いシグナル0.9778から若干上昇に転じており、今週は弱めの買いシグナル0.9907が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が増している。
★売りターゲット (1.0000)
▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅16.00円 現状乖離幅 19.10→17.50円
NZドルの上昇を伴い、乖離幅が縮小段階にあり、短期チャートは弱い豪ドル売り・NZドル買いに移行している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
20.35→19.90→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→15.90→16.65→16.65→18.10→18.95→19.10→18.90→19.20→190.10→17.50円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、そして、7月平均は199.40円、8月平均は196.50円。9月平均は194円。10月第1週は198.05円、10月第2週は196.45円、10月第3週は195.25円、そして、10月第4週は194.80円。今週はユーロ円112.00+ドル円80.45=192.45円へと円高傾向を強めている。(目安*190円以下は円売り局面⇔210円以上は円買い局面)
★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離22.00円 現状乖離幅 14.15→16.90円
先週の強い売りシグナル0.8891から、下げ足を速めており、今週は強めの売りシグナル0.8689が点灯している。中期チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、0.87前後からのナンピン売りに妙味が生じている。 ★買いターゲット(0.8300〜0.8500)
▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離26.50円 現状乖離幅 30.25−30.25円
乖離幅は変わらないが、先週の売りシグナル1.3636から上昇基調にあり、今週は強めの売りシグナル1.3700が点灯している。中期チャートおいては買いシグナルが点灯しており、1.3300〜1.3800のレンジ相場を形成している。 ★買いターゲット(1.3150〜1.3300)
▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離48.50円 現状乖離幅 44.40→47.15円
先週の買いシグナル1.5377から上昇を速めており、今週はポジション解消売りに伴い、様子見1.5768が点灯している。中期チャートにおいては依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、1.5500〜1.6000のレンジ相場を形成している。★様子見
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★★本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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