円高一服!81〜82円の狭い攻防?
昨日のケースシラー住宅価格指数は若干悪化したものの、コンファレンスボード消費者信頼感が予想を上回るなど米経済指標は好悪まちまちであるが、雇用項目に関しては依然として低迷が続いており、来週の11月2,3日のFOMCの追加金融緩和策の規模に注目が集まっている。いずれにしても、米追加緩和期待は根強いものがあるが、一連の地区連銀総裁の発言にも温度差があるように、FRBの資産購入額のシナリオを見るまではポジションを縮小する傾向が強まっている。また、円及びユーロロングの膨らみもあり、市場はドル買い志向に傾斜しているため、円高には一服感が生じているが、ドル円81円台後半から82円台までは利益確定売りと実需売りが控えており、ドル円の上昇は限定的と言わざるを得ないだろう。
ただし、NYダウが米企業の好決算が続く中、小幅上昇と4月以来の高値を更新しており、日経平均株価の上昇が見込まれるため、FOMCの発表までは底堅い状況が予想されるだけに、過度な円高期待は自重局面にあり、当面、ドル円81円割れからの押し目買いと82円前後からのナンピン売りが市場のコンセンサスになりつつある。
その他では、特筆すべき材料はない中、ユーロ圏では、ウェーバー独連銀総裁が、ユーロは世界で最も安定している通貨の一つであり、世界でナンバー2の通貨になっていることを強調しているが、反面、ドイツ経済の回復は、まだ自律的なものにはなっておらず、今年度、下半期の経済成長は減速すると予想、銀行や債務過剰国を再度救済する事は出来ないとも発言している。
穿った見方をすれば、世界の投資マネーが膨らむ中、日本、中国は円売りと人民元売り介入で、米ドルの外貨準備比率を高めているが、同時に、他の新興国も米ドル依存傾向は根強く、ギリシャ危機以来、ソブリンリスクを背景にユーロ人気の伸び悩みを危惧しており、米国と同様に中国の急成長に脅威を感じているのかもしれない。
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