中途半端なG20合意!FXの迷走続く?
先週のG20共同声明文では、経済のファンダメンタルズを重んじて、一応、通貨安競争を回避することで合意を見たが、具体的な目標数値は見送られた恰好となり、先進国と新興国との思惑の相違を背景にした玉虫色の結果と言わざるを得ないだろう。
G20終了後には米ドル安の要因でもある米ドルの資金流動性の垂れ流し現象の中、追加的金融緩和策に批判が浴びている反面、ガイドナー米財務長官は対円とユーロのドル水準の調整は十分に完了していることを言及しており、再び強いドルを強調、ドルの反発を促す一連の言動と思われるが、米貿易赤字が一考に改善されていない状況や雇用情勢や住宅関連の悪化が解消されない限り、どうしても、中長期的な金融緩和策や中国人民元の切り上げに依存せざるを得ない状況とも解釈できる。
一方、G20の合意の基、表面上は通貨安競争が回避された関係上、日本政府・日銀としても、G20において、円売り介入操作が理解されたとは言えず、今後の介入操作に支障を来す恐れがあるが、依然として、戻り局面では実需による円買い・ドル売り志向は根強いものがあるが、同時に、政府・日銀としては、当面、ドル円80円割れを脅かす状況になるまで、介入操作を躊躇せざるを得ない状況にある。
他方、世界経済の主役である米国がドル安容認姿勢を堅持、そして、世界経済のリード役である中国が人民元改革に乗り気でない以上、通貨安競争に歯止めをかけるには、相対的にドル高・人民元高局面を迎える必要がある。一部では、米金融緩和策は為替操作のすり替えとの声も少なくなく、市場のコンセンサスは徐々に米ドル安批判に傾斜しつつあり、米国経済としても、ドル安及び金融緩和策に大きく依存できない状況とも言えるだろう。
いずれにしても、G20を終えて、市場は11月のFOMCの追加金融緩和策がドルの上値の重さに繋がっているが、反面、FRB内でも賛否両論があるように、小規模的な緩和策をもなれば、ドルの反動買いも視野に入れる必要があるだろう。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年10月24日
▲ドル円ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1600 現状乖離幅0.1630→0.1643
A)100÷113.45=0.8814 B)1÷1.3946=0.7171(A−B=0.1643)
先週の様子見81.45円から変化は見られないが、今週は弱めの買いシグナル81.35円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、81円割れからの押し目買いに妙味が生じている。 ★売りターゲット(82.00)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅26.00円 現状乖離幅 31.95→32.10円
先週の強い売りシグナル1.3972から若干下落しているが、今週も強い売りシグナル1.3946が点灯している。中期チャートにおいては、強めの売りシグナが点灯しており、1.4000前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット (1.3150〜1.3350)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅6.50円 現状乖離幅 0.80→1.40円
先週の強い売りシグナル0.9902から下落に転じているが、今週も引き続き強い売りシグナル0.9828が点灯している。中期チャートにおいても、強めの売りシグナルが点灯しており、0.99前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.9200〜0.9400)
▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅23.00円 現状乖離幅 20.00→20.50円
先週の強めの売りシグナル0.7545から若干下落しているが、今週も引き続き強めの売りシグナル0.7480が点灯している。中期チャートにおいては通常の売りシグナルが点灯しており、0.75台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7200〜0.7300)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅2.00円 現状乖離幅 0.80→1.70円
先週の買いシグナル1.0099から上昇に転じており、今週はポジション解消売りに伴い、様子見1.0265が点灯している。中期チャートにおいては、様子見から弱めの売りシグナルが点灯しており、1.4000〜1.0400レンジ相場を形成している。★様子見
▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅48.00円 現状乖離幅 48.70→46.25円
先週の通常の売りシグナル1.5979から下げ足を速めており、今週はポジション解消買いに伴い、様子見1.5685が点灯している。中期チャートにおいては弱めの買いシグナルが点灯しているが、1.5500〜1.6000のレンジ相場を形成している。★様子見
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅0.50円 現状乖離幅(−)3.55→(−)1.85円
先週の強い買いシグナル0.9582から上昇に転じており、今週は強めの買いシグナル0.9778が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が増している。★売りターゲット (0.9950〜1.0050)
▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅16.00円 現状乖離幅 19.20→19.10円
乖離幅には変化はなく、短期・中期チャート共に、引き続き豪ドル売り・NZドル買いに妙味が生じている。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。20.35→19.90→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→15.90→16.65→16.65→18.10→18.95→19.10→18.90→19.20→190.10円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、そして、7月平均は199.40円、8月平均は196.50円。9月平均は194円。10月第1週は198.05円、10月第2週は196.45円、10月第3週は195.25円、そして、今週はユーロ円113.45+ドル円81.35=194.80円。
(目安*190円以下は円売り局面⇔210円以上は円買い局面)
★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離22.00円 現状乖離幅 16.35→14.15円
先週の強めの売りシグナル0.8744から、更に上昇しており、今週は強い売りシグナル0.8891が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。 ★買いターゲット(0.8350〜0.8550)
▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離26.50円 現状乖離幅 28.80−30.25円
先週の弱めの売りシグナル1.3388から上昇を速めており、今週は通常の売りシグナル1.3636が点灯している。逆に、中期チャートおいては買いシグナルが点灯しており、1.3200〜1.3700のレンジ相場を形成している。 ★買いターゲット(1.3150〜1.3250)
▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離48.50円 現状乖離幅 45.15→44.40円
先週の買いシグナル1.5312から若干上昇しているが、今週も引き続き通常の買いシグナル1.5377が点灯している。中期チャートにおいては強めの買いシグナルが点灯しており、1.53前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット (1.5700〜1.5800)
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