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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

一喜一憂!ドルも戻り売り基調に変化なし?

先週末はバーナンキFRB議長が講演で「低いインフレ、高い失業率はさらなる
追加緩和の可能性を示唆する」とし、必要ならば追加緩和策を講じる用意があると発言している。ドル円相場は介入警戒感がある中、一時81円割れ、そして、ユーロドルは1.41台半ばまで上昇、そして、豪ドルはパリティ水準まで上昇とドル独歩安を演じていたが、その後、発表された米9月小売売上高や、10月NY連銀製造業景気指数がいずれも予想を上回る好結果となったことを受けて、ドル
買いへと急反転、ドル円は81円台半ばまで上昇、そして、ユーロドルは1.39台半ばまで急落と荒っぽい動きに市場は翻弄されている。加えて、債券市場では、FRBがインフレ率を押し上げに前向きとの見方が強まり、米国債に利益確定売りが優先され、米10年債利回りは2.56%まで上昇したこともドルの買い戻しを急がせている。

しかしながら、FRB議長が次回FOMCに向けて、追加金融政策を強く示唆した関係上、低金利政策の長期化を背景にしたドルキャリートレードの思惑が働いており、市場のコンセンサスとしては、ドル売りの流れを継続しており、ドルの戻り売り基調は払拭されていない相場環境にある。

いずれにしても、ストップロスによるポジション調整が一巡しておらず、週明け相場としては試行錯誤の段階であろうが、当面、株式市場の動向や突発的な要人発言に注視しながら、直近のレンジ幅の中で売買を模索することが得策であろう。また、今週末の22-23日にはG20財務相・中銀総裁会議が控えており、為替問題が議論される予定となっていることから、より調整色が強まる可能性があるだけに、日銀の介入観測はやや後退しているが、政府筋は柔軟性のある介入姿勢を強調しており、大きな動きが生じた際には、逆張りを一考することが望ましい状況であろう。



●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年10月17(日)

▲ドル円ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1600 現状乖離幅0.1565→0.1630
A)100÷113.80=0.8787 B)1÷1.3972=0.7157(A−B=0.1630)
先週の弱めの売りシグナル82.10から若干下落しており、今週はポジション解消買いに伴い様子見81.45が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、81円前後からの押し目買いに妙味が生じている。 ★様子見

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅25.00円 現状乖離幅 32.25→31.95円
先週の強い売りシグナル1.3928から若干上昇しており、今週も強い売りシグナル1.3972が点灯している。中期チャートにおいては、強めの売りシグナが点灯しており、1.4000前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット (1.3000〜1.3200)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅8.00円 現状乖離幅 1.20→0.80円
先週の強い売りシグナル0.9854から上昇し0.99台に突入。今週も強い売りシグナル0.9902が点灯している。中期チャートにおいても、強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.9200〜0.9400)

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅24.00円 現状乖離幅 22.10→20.00円
先週の強めの売りシグナル0.7545から変化はなく、今週も引き続き強めの売りシグナル0.7545が点灯している。中期チャートにおいては通常の売りシグナルが点灯しており、0.7600前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7150〜0.7250)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅3.00円 現状乖離幅 0.90→0.80円
先週の買いシグナル1.0208から変化は見られず、今週も通常の買いシグナル1.0099が点灯している。中期チャートにおいては、様子見が点灯しており、1.0000前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット (1.0300〜1.0400)

▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅47.00円 現状乖離幅 48.90→48.70円
先週の売りシグナル1.5956から若干上昇しているが、今週も通常の売りシグナル1.5979が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、1.5800〜1.6100のレンジ相場を形成している。★買いターゲット (1.5500〜1.5600)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅1.50円 現状乖離幅(−)3.10→(−)3.55円
パリティ割れから弾みがついており、先週の強い買いシグナル0.96363に続き、今週も強い買いシグナルナ0.9582が点灯している。中期チャートにおいても、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が増している。★売りターゲット (0.9850〜1.0000)

▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅16.00円 現状乖離幅 18.90→19.20円
乖離幅自体は19円前後で推移しており、短期・中期チャート共に豪ドル売り・NZドル買いに妙味が生じている。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。20.35→19.90→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→15.90→16.65→16.65→18.10→18.95→19.10→18.90→19.20円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、そして、7月平均は199.40円、8月平均は196.50円。9月平均は194円。10月第1週は198.05円、そして、10月第2週は196.45円。そして、今週はユーロ円113.80+ドル円81.45=195.25円。200円前後が重石になっている。
(目安*190円以下は円売り局面⇔210円以上は円買い局面)

★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離22.00円 現状乖離幅 16.65→16.35円
強めの売りシグナル0.8700台でこう着度を増している。先週の強めの売りシグナル0.8729から変化はなく、今週も強めの売りシグナル0.8744が点灯している。中期チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.8400〜0.8500)

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離26.50円 現状乖離幅 29.15−28.80円
先週の弱めの売りシグナル1.3421から若干下落しているが、今週も引き続き弱めの売りシグナル1.3388が点灯している。逆に、中期チャートおいては強めの買いシグナルが点灯しており、1.3200〜1.3600のレンジ相場を形成している。 ★買いターゲット(1.3200〜1.3250)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離48.50円  現状乖離幅 45.80→45.15円
先週の買いシグナル1.5376から若干下落に転じており、今週は強めの買いシグナル1.5312が点灯している。中期チャートにおいても強めの買いシグナルが点灯しており、1.53前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット (1.5700〜1.5800)


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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