次回の介入操作を探る展開!戻り売り優先?
日銀金融政策決定会合では事実上のゼロ金利政策を導入することで、一時、円売りを誘発させたが、内容的には国債などの金融資産を5兆円規模で購入する「資産買入基金」を新たに創設など、包括的な金融緩和策がサプライズとなった模様。しかしながら、来月早々にもFRBの追加金融緩和策が折り込まれている関係上、ドル円相場は円買い志向を強めながら、瞬間的に83円割れと先の市場介入以来の安値を更新したが、依然として、政府・日銀の介入警戒感は根強い中、市場参加者の試行錯誤が続いている。
各国は経済不況並びにデフレ脱却に向けて、総じて、通貨安競争を強いられている状況であるが、反面、為替相場による経済効果は不確実性との見方が支配的になっている。それ故に、主要国は通貨安競争から追加的金融緩和競争で打開策を探る状況になっている。
一方、リスク許容度の強弱にもかかわらず、ジャブジャブした流動性資金が安全資産である国債に集中、日米の長期金利の低下を促しているように、金融市場の活性化においては副作用まで懸念されている。現段階では各国政府が不況克服に向けて、株価市場の維持のためには、なり振りをかまっていられないのが現状と言えるかもしれない。
昨日の米9月ISM非製造業景況指数は53.2と市場の事前予想(52.0)を上回り、また、構成項目別では雇用指数が50.2(前回48.2)と50の分岐点を上回り、不安視される週末の米雇用統計にも安堵感が生じ、VIX(恐怖)指数は21台まで低下、米金融緩和観測の高まりを受けて、NYダウは終始堅調に推移しており、本日の日経平均株価も堅調に推移しているため、ドル円83円割れを再トライする環境ではないが、市場は次回の介入操作の実体を見極めるまでは、ドル円の戻り売り相場が顕在化しつつあるとも言えるだろう。