ドル円再介入待ち!ユーロドル急ピッチの上昇に違和感?
昨日発表された米消費者信頼感指数が予想に反して大幅に低下すると同時に、米ケース・シラー米住宅価格指数も底値圏で推移しており、雇用及び住宅市場の脆弱性が指摘されている。市場ではFRBの追加金融緩和策期待が増幅しており、次回のFOMCでFRBが景気浮揚に向けて量的緩和を実施するとの見方が先行、経済指標の悪化にも関わらず、NYダウは小幅上昇している。また、米長期金利10年債が2.5%割れとなったこともドル売り基調を速めている。
一方、ユーロ圏ではEU圏重債務国の財政再建状況は一時期よりも不安材料は後退しているが、アイルランドや、ポルトガル、ベルギーなどの財政悪化懸念を背景にして、EU周辺諸国の経済低迷など悪材料は払しょくできておらず、安易なユーロロングは自重することが望ましいだろう。
昨日はスペイン国債の格下げの噂が燻る中、一時弱含んでいたユーロドルであるが、米長期金利の低下と共に米経済指標の悪化が加味された事を受けて、ユーロドルの目先の節目と見られていた1.3500ドルを突破、損失確定買い及びオプショントリガーを巻き込みながら1.36近辺まで上昇している。一部ではドルキャリトレードの思惑が働いているようだが、ポンドの急落もユーロドルの下支えになっており、急ピッチの上昇に違和感が生じていることは否めず、利益確定売りを考慮すれば、1.36台以上からの深追いは自重して臨むことが賢明であろう。他方、ドル円が83円台に突入したことで、より一層、政府・日銀の介入警戒感が強まる中、注目された日銀短観は、足許が改善、先行きは鈍化と事前予想範囲内であったため、市場の反応も限定的であるが、日経平均株価の堅調地合いを背景にして、一部ドル円の買い戻しが散見されているが、次回の日銀介入が確認できるまでは上値は限定的と判断するのが順当であろう。