米中・日米首脳会談で動きづらい展開へ!84円割れの買いと85円台の売りで待機?
米8月中古住宅販売件数は改善しているものの、前月の史上最大の落ち込みからは2番目の低水準であり、米景気動向の不透明さを背景に、NYダウは3日続落と伸び悩んでいる。先のFOMC声明文では、必要に応じて、追加的金融緩和の意向を表明したことを受けて、米国債利回り低下を背景にして、ドルは軟調な展開になっているが、今後も雇用並びに住宅市場の改善が見られない限りは、長期的な金融緩和観測が浮上するだけに、ドルの上昇は限定的と言わざるを得ないだろう。
一方、ユーロ圏においても、アイルランドの国債入札が順調だったことから、ユーロドルは一時1.34台半ば近辺まで上昇したが、アイルランドの第2四半期GDPが前期比マイナス1.2%と、予想以上のマイナス成長を示したこともあり、利食い優先の展開を強いられており、1.34台の上値の重さが認識されている。そして、ドル円は介入警戒感があるにもかかわらず、米欧経済の鈍化傾向に伴い、株安・円高を連想させる地合いになっているが、管首相は為替介入には積極的に対応することを言及、そして、政府・日銀が遅ればせながらも、自国通貨安による景気対策に臨んでおり、双方が円高阻止の姿勢を強めている以上、短期筋としては、積極的な円買い志向は減退せざるを得ない状況である。
他方、尖閣諸島問題が渦巻く中、日米会談及び米中会談が行われており、日本の為替介入の是非、そして、人民元切り上問題が問われているが、米国としては貿易不均衡を理由に為替介入には否定的であることは言うまでもないが、日本経済がデフレに直面している状況下では、今回の介入操作は容認する構えを見せれば、ドル円は再度85円台をトライするだろうが、反面、人民元切り上げ問題が暗礁に乗り上げている現状を踏まえると、日本の為替介入に対してもネガティブな発言をすれば、再度84円割れを試す展開は避けられないだろう。