外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >利食い優先の展開!戻り売り好機到来?

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

利食い優先の展開!戻り売り好機到来?

市場は日米欧経済が混沌とする中、リスク回避志向の強弱関係の影響を受けて、為替及び株式市場は右往左往している。先週末は特段の材料はないものの、中国の8月輸入総額(前年比)が35.2%と今年5月(48.3%)以来の伸びを記録。またアラブ首長国連邦の政府系持ち株会社であるドバイ・ワールドが約249億ドルの債務の再編で99%超の債権者と正式合意に至ったことなどを背景にNYダウが上昇、それに伴い、米長期金利や原油価格は上昇、そして、金価格は下落とリスク許容度の低下に繋がっている。
一方、欧州ソブリン・リスクと欧州系金融機関の財務内容悪化が懸念される中、ドイツ銀行が銀行自己資本規制である「バーゼル3」の適用に向けて増資を検討していると報じられ、他の金融機関も追随するとの見方が支配的であり、金融株を中心に欧州株式市場は下落に転じるなど、ユーロドルの上昇圧力になっている。
他方、欧米金融当局者が日本政府の単独介入に否定的な発言がされる中、先週の民主党代表選政策討論会においては、欧米通貨当局との調整難に言及しながらも、単独介入の可能性を示唆された恰好であり、市場は84円台前半で警戒感を強め
ている。また、本邦輸出企業等の実需が85円前後で控えており、上値も下値も限定的になっている。

補足的になるが、民主党代表選挙で小沢前幹事長が勝利すれば、株高・円売り、そして、管首相が勝利すれば、株安・円買いとのシナリオが伝わっているが、どちらかが勝利したにしても、株価及び為替への影響は限定的と判断するのが賢明
であろう。むしろ、大きな変動が生じた際には、逆張りの好機到来と見なすのが効率的な売買に繋がるであろう。


*****************************************************

●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年9月12(日)

▲ドル円ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1200 現状乖離幅0.1433→0.1477
A)100÷107.00=0.9346 B)1÷1.2708=0.7869(A−B=0.1477)
先週の買いシグナル84.40から若干下落しているが、今週も引き続き強めの買いシグナル84.20円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、84円前後からの押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット86.00〜87.00円)

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅23.00円 現状乖離幅 24.45→22.80円
先週の売りシグナル1.2897から下げ足を速めており、今週はポジション解消買いに伴い、様子見1.2708が点灯している。中期チャートにおいては、ほぼ様子見に近い買いシグナルが点灯しており、1.2500〜1.3000のレンジ相場を形成している。(様子見)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅10.00円 現状乖離幅 6.90→9.15円
先週の通常の売りシグナル0.9182から上昇に転じており、今週は強めの売りシグナル0.9264が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
(買いターゲット0.8800〜0.8900)

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅25.00円 現状乖離幅 23.55→22.85円
先週の弱めの売りシグナル0.7210から上昇しており、今週は通常の売りシグナル0.7286が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、0.73台からのナンピン売りに妙味が生じている。(買いターゲット0.7050〜0.7150)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅3.00円 現状乖離幅 3.10→2.90円
先週の弱めの買いシグナル1.0381から変化は見られず、今週も引き続き弱めの買いシグナル1.0357が点灯している。中期チャートにおいても、弱めの買いシグナルが点灯しており、1.0200〜1.0600のレンジ相場を形成している。
(売りターゲット1.0450〜1.0500)

▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅45.00円 現状乖離幅 46.15→45.10円
先週の弱めの売りシグナル1.5468から下落に転じており、今週は更に弱い売りシグナル1.5356が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.55前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
(買いターゲット1.5250〜1.5300)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅4.50円 現状乖離幅 1.35→1.60円
先週の強めの買いシグナル1.0163から若干上昇しているが、今週も引き続き強めの買いシグナル1.0194が点灯している。中期チャートにおいても引き続き、強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。(売りターゲット1.0500〜1.0600)

▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅15.00円 現状乖離幅 16.65→16.65円
先週と乖離幅に変化はなく、短期・中期チャート共に、豪ドル売り・NZドル買いが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
20.35→19.90→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→14.10→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→14.80→15.55→16.20→15.90→15.90→16.65→16.65円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216
円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、そして、7月平均は199.40円、8月平均は196.50円と円高が鮮明になっている。先週は193.25円、そして、今週はユーロ円107.00+ドル円84.20=191.20円と円高が進行。190円割れでは介入操作が視野。 (目安*200円以下は円売り局面⇔220円以上は円買い局面)

★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離22.00円 現状乖離幅 21.70→22.30円
先週の様子見0.8338から若干下落しており、今週は弱めの買いシグナル0.8275が点灯している。中期チャートにおいても引き続き買いシグナルが点灯しており、0.8100前後からの押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット0.8300〜0.8350)

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離28.00円 現状乖離幅 25.80−24.40円
先週の通常の買いシグナル1.3107から下げ足を速めており、今週は強めの買いシグナル1.2954が点灯している。中期チャートおいては依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット1.3300〜1.3400)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離50.00円  現状乖離幅 47.50→46.70円
先週の強めの買いシグナル1.5719から若干下落しており、今週も強めの買いシグナル1.5654が点灯している。中期チャートにおいても強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット1.6000〜1.6100)



プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド