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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

見極めの時期!消去法的な円買い・ユーロ買いに一服感?

昨日は米国が休場のため、市場参加者の激減から為替市場は動意薄の展開へ。野田財務相が相場の急変に対して、断固とした姿勢で対処すると改めて示唆したが、民主党代表選挙が控えているため、政府・日銀による円売り介入をイメージさせる状況ではなく、ドル円の上値の重さが指摘されている。
本日の日銀金融政策決定会合は金利据え置きが既成事実化する中で行われるが、先週8月30日の臨時金融政策会合において、オペの期間延長や10兆円の供給増などの追加的金融緩和策が示唆されているだけに、市場の注目は白川日銀総裁の記者会見に集まっている。ただし、為替介入に関しても、政府・日銀一体の問題であり、ドル円84円台を維持している以上、多くを期待できない側面がある。一方、米労働市場や住宅関連指標が若干好転する中、オバマ米大統領は明日水曜日には500億ドルのインフラ整備や雇用創出案を含む新たな経済政策案を明らかにする予定になっているが、リスク回避姿勢は後退気味とは言え、相対的に市場の反応は限定的になっている。
他方、EU各国政府はストレステスト後も財政再建のため財政を緊縮させているが、税収減などが響いており、財政赤字削減が一向に進んでいない状況である。ドイツIFO経済研究所からは、ギリシャの財政政策ではデフォルト回避できないと報じられ、また、ノボトニー・オーストリア中銀総裁は「ECB(欧州中銀)は出口戦略について12月より前には協議しないだろう」と示唆されており、EU圏のソブリン・リスクを解消するには程遠い状況にある。米国経済の2番底懸念を背景にユーロドルは底堅い状況になっているが、米経済が回復基調に乗れば、ユーロドルの急落も想定しなければならないだろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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