米雇用統計待ち!動意薄の展開へ?
本日の米8月雇用統計の発表を控え、動意薄の展開が続いている。昨日の米7月中古住宅販売成約指数が5.2%と市場の事前予想(−1.0%)を大きく上回っているが、住宅減税終了後の改善数値なだけに、意外感は否めないものの、米株式市場は小幅ながら続伸、米景気の減速懸念は若干後退している。
一方、ECB(欧州中銀)は市場の予想通り政策金利を1.00%に据え置くことを決定。その後の記者会見で、トリシェECB総裁が「景気の二番底は想定していない」との見方を明らかにしたことで、ユーロドルは底堅い状況にあるものの、輸出の堅調な伸びを評価する中、ユーロ安容認姿勢を維持しているため、ユーロドルを買い上げる材料としては力不足と言えるだろう。
他方、今週に入ってからは、米経済指標の改善が続いていることもあり、米雇用統計に対する見方も悪化から改善するのではないかとの見方も少なくない。しかしながら、一連の雇用情勢を見る限りは米雇用統計が不安視されているのが現状である。市場は今晩の米雇用統計を睨みながら、一進一退の展開を余儀なくされており、市場のコンセンサスは米雇用統計を見極めてから始動せざるを得ない相場環境である。
そして、債券市場では米国債利回りが上昇過程にあるが、同時に、日本国債10年物利回りも民主党代表選挙に小沢前幹事長の出馬が材料となり、債券利回りは一カ月ぶりに1.1%へと急上昇している。とは言え、先の政府・日銀による臨時追加金融政策において、金融機関に対する10兆円程度の貸し出しが実施される運びであり、これらの余裕資金が国債購入に回る可能性が指摘されているため、日本国債利回りの上昇幅は限定的と判断するのが妥当であろう。その結果、日米金利差の拡大を背景とした、ドル買い材料として捉えることが可能であるが、反面、ドル円85円台では実需売りと利益確定売りが控えているため、上値の重さは否定できない。また、政府・日銀の為替介入に対する警戒感が83円台でも可能性が低いため、ドル円相場の上値の重さが改めて意識されている。