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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

追加的金融緩和策→円高歯止めは一時的?

米第2四半期GDP改定値が速報値の2.4%増から1.6%増に下方修正されたものの、事前予想1.4%より悪化しておらず、また、バーナンキFRB議長が経済指標悪化傾向を懸念しながら、更に米経済の先行き見通しが悪化すれば、追加的金融緩和策を行動する用意があると示唆したことで、米株式市場は大幅に反発して引けている。日経平均株価はNYダウの流れを引き継ぎ大幅に上昇過程にあるが、本日開かれている臨時日銀金融政策決定会合で、供給期間を3ヶ月から6ヶ月に延長し、政策金利(現行年0.1%)で金融機関へ貸し出し、そして、固定金利オペ供給額を現行の20兆円から30兆円程度に増額する案が盛り込まれる予定である。
今回の量的金融緩和策によって、一時的には円高に歯止めをかけることは可能であるが、市場の流動性が高まるかは疑問視されており、今後の株式市場に反映されない限り、円売りの推進力となるかは懐疑的である。
一方、米長期金利が上昇する中、日米金利格差の拡大を背景にした、加速的な円買い志向も後退している関係上、ドル円の底堅さに繋がっているが、反面、86円台では実需売りや利益確定売りが控えており、85〜86円のレンジ幅で試行錯誤の段階である。
他方、円高阻止には、最終的に政府・日銀の介入操作に委ねられる可能性が高いが、米欧が輸出促進を前提とした自国通貨安を容認している以上、現段階では協調介入には程遠い状況であり、政府・日銀としては、単独介入の限界を承知しているものの、介入操作の準備段階に突入している。しかしながら、ドル円82〜83円レベルまでの円高を見ない限りは効果的な介入操作は期待できないと判断すべきであろう。


●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年8月29(日)

▲ドル円ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1323→0.1358A)100÷108.55=0.9212 B)1÷1.2733=0.7854(A−B=0.1358)
先週の買いシグナル85.60から若干下落しているが、今週も引き続き通常の買いシグナル85.25が点灯している。中期チャートにおいては、強めの買いシグナルが継続しており、85円割れからの押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット87.50〜88.50円)

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅22.00円 現状乖離幅 23.20→23.30円
先週の弱め売りシグナル1.2710から一時ポジション解消買いが生じたが、今週も引き続き弱めの売りシグナル1.2733が点灯している。中期チャートにおいては強い売買シグナルは発生しておらず、1.2500〜1.3000のレンジ相場を形成している。(買いターゲット1.2600〜1.2650)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅11.00円 現状乖離幅 9.15→8.60円
先週の弱めの売りシグナル0.8931から若干上昇しており、今週は通常の売りシグナル0.8991が点灯している。中期チャートにおいても、売りシグナルが点灯しており、0.90台からのナンピン売りに妙味が生じている。(買いターゲット0.8700〜0.8800)

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅26.00円 現状乖離幅 22.50→24.50円
先週の様子見0.7074から若干上昇に転じており、今週は弱めの売りシグナル0.7124が点灯している。中期チャートにおいてはほぼ様子見が点灯しており、0.6800〜0.7200のレンジ相場を形成している。(買いターゲット0.7050)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅4.00円 現状乖離幅 2.30→3.45円
先週はポジション解消売りに伴い、様子見1.0484が点灯していたが、今週は若干の上昇に留まり、引き続き様子見1.0525が点灯している。中期チャートにおいても、様子見が点灯しており、1.0200〜1.0700のレンジ相場を形成している。(様子見)

▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅45.00円 現状乖離幅 47.45→47.00円
先週の売りシグナル1.5543から、一時1.54割れではポジション解消買いに直面したが、今週も引き続き、通常の売りシグナル1.5513が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、1.56台からのナンピン売りに妙味が生じている。(買いターゲット1.5200〜1.5300)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅7.00円 現状乖離幅 2.80→2.75円
先週の強めの買いシグナル1.0338から若干下落しているが、今週も引き続き強めの買いシグナル1.0308が点灯している。中期チャートにおいても強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン買いに妙味が生じている。
(売りターゲット1.0750〜1.0850)

▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅15.00円 現状乖離幅 15.90→15.90円
乖離幅は先週と変わらず、依然として、短期・中期チャート共に、豪ドル売り・NZドル売りが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
20.35→19.90→19.70→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→14.10→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→14.80→15.55→16.00→16.20→15.90→15.90円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、そして、7月平均は199.40円、8月第1週199.15円、8月第2週199.10円、8月第3週196.00円、8月第4週は194.40、そして、今週はユーロ円108.55+ドル円85.25=193.80円、円高に黄信号が点滅している。 (目安*200円以下は円売り局面⇔220円以上は円買い局面)

★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離23.00円 現状乖離幅 24.25→23.70円
0.8200前後の攻防が続いており、先週の弱めの買いシグナル0.8177から変化は見られず、今週も弱めの買いシグナル0.8208が点灯している。中期チャートにおいては通常の買いシグナルが点灯しており、0.8000〜0.8500のレンジ相場を形成している。(売りターゲット0.8250)

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離29.00円 現状乖離幅 26.00−25.85円
先週の強めの買いシグナル1.3140から変化はなく、今週も強めの買いシグナル1.3126が点灯している。中期チャートおいても強めの買いシグナルが点灯しており、1.31割れからの押し目買いに妙味が生じている。(売りターゲット1.3500〜1.3600)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離52.00円  現状乖離幅 50.25→49.55円
先週の買いシグナル1.6069から若干下落しているが、今週も引き続き通常の買いシグナル1.5992が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。(売りターゲット1.6300〜1.6400)

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★★本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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★ペットチャート閲覧は後日公開
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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