日米欧共に悪材料満載!見極めの時期?
米新規失業保険申請件数が予想より良い結果とは言え、雇用情勢の進展は見られず、市場の反応も限定的であるが、NYダウの終値は7月6日以来1万ドルを割り込み、依然として、リスク回避志向が根強い相場展開になっている。今晩発表される第2四半期の米GDP・改定値は輸出企業の低迷でGDPが大幅に下方修正されるとの見方が先行しており、米国の2番底懸念が米ドルの重石になっている。日本経済も円高対策に揺れ動いている中、未だに、政府・日銀が追加金融緩和策並びに介入観測に慎重な姿勢を堅持しており、株およびドル円相場の行き場が混沌としているのが現状である。また、小沢前幹事長が代表選に出馬したことにより、政局不安が増幅する中、日本売りの下地もあるだけに、投機筋としては、円ロングの膨らみから、積極的に円買いを敢行できない側面があり、ドル円相場のこう着度に繋がっている。また、欧州当局者が「円の協調介入の可能性は低く、日銀の単独介入の方が現実的である。円高に関する懸念は、日本では強いが米欧間での意識は強くない」と発言している。そして、昨日から米カンザスシティ連銀主催のシンポジウムが行われており、白川日銀総裁、バーナンキFRB議長、そして、トリシェECB総裁を交えて、情報交換される見通しであるが、米欧経済共に2番底懸念と共にデフレ懸念が増す中、自国通貨安容認を背景にして、円高に対する協調姿勢は薄れているのが現状であり、日銀としては、単独介入に関しても及び腰と言わざるを得ないのかもしれない。
一方、ユーロ圏においても、潜在的なソブリン・リスクと共に、欧州系金融機関の財務内容悪化懸念を背景に、ユーロドルの上昇を阻んでおり、市場はポジション縮小を念頭に1.27台では利食い優先の展開を見せている。
いずれにしても、本日の米GDP改定値は下方修正が予想される中、FRB議長の講演内容に注目が集まっているが、一連の経済指標を見る限りは、米経済先行き不安を解消できる状況ではなく、更に金融緩和策の長期化を促す可能性があり、長期金利の低下と共にドルショートに妙味が生じている。