政府・日銀トップ会談!期待感<失望感?
昨日は主要な経済指標の発表がなく、材料難を背景に売買が手控えられているが、ドル円相場は政府・日銀の介入観測が払拭されていない反面、リスク回避による円買いの狭間にあり、また、来週23日予定されている管首相と白川日銀総裁のトップ会談を見極めたいとの思惑が先行しており、期待感と失望感が渦巻く中、終日動きが鈍くなっている。
一方、株式市場においても、市場参加者の激減から薄商いが続いており、NYダウも小幅な上昇に留まっている。また、米債券市場においても、米経済の減速懸念から、利回りの低下傾向が続いており、市場のリスク回避志向の強さが垣間見られる。
他方、ユーロドルはドイツ国債とポルトガル国債価格が上昇したことを受けて、一時1.29台まで回復したが、1.29ドル台では利益確定売りに圧されており、上値の重さが再認識されている。EU財政問題が山積する中、米経済の悪材料だけでは持続的なユーロ買いに限界が生じており、市場のコンセンサスもレンジ幅の範疇で逆張り志向が強まっているのが現状であろう。
補足的になるが、本邦サイドでは、現状の円高対策に関して、政府・日銀の対応の遅さが指摘されているが、海外勢、特に米欧側からは自国通貨安が景気回復手段の一環として捉えており、円高についての関心度は予想以上に低いのが現状である。日本経済のGDPが世界3位に陥落したように、米欧の視線は中国経済や他の新興国に向けられている中、今後もデフレ下にある日本経済の低迷が続くとの見方が大勢を占めており、現状では日本経済の動向が軽視されているとも解釈できる。現状の円高対策に関しても、日本サイドでは介入や金融緩和策などが物議を呼んでいるが、諸々の事情を鑑みれば、効果の程は限定されたとしても、ドル円が80円割れを見るまでは単独介入で円高に歯止めをかけるしかないだろう。ただし、財政難の折、中途半端なレベルで単独介入が実施されると、介入規模や期間的な問題が発生するため、政府・日銀としても安易な介入操作を実施できない裏事情もある。