単独介入82〜83円&協調介入80円割れ?
米経済回復の遅れが指摘される中、米長期金利10年債は2.7%割れまで低下、日米金利差縮小の影響もあり、ドル円は85円割れと15年ぶりの円高を演出している。現段階では日銀によるレートチェックの噂が広まった事や利食い及びポジション調整買いなどを背景に、一旦86円台を回復しているが、政府・日銀の円高けん制発言だけでは、ドル円の買い戻しは限定的になっている。
今週中に、菅首相と白川日銀総裁が円高の対応について会談する運びであるが、既に、報じられているように政府・日銀による単独介入には否定的な見方が浸透しており、即座に介入操作に踏み切れないのが現状であろう。同時に、米国が輸出倍増計画を背景にして、ドル安容認姿勢を堅持しており、米国の容認なき協調介入は懐疑的であり、仮に単独介入共なれば、中途半端な介入操作では逆に円高を更に誘引させる可能性がある。政府日銀としては、介入金額、介入期間、そして、介入レートなどの徹底的なシナリオが必要であり、安易に単独介入に踏み切れないのが現状であろう。しかしながら、ドル円80円割れは日本経済にとってはデフレ促進と共に深刻な状況になるため、過度な円高を阻止するためには、少なくとも、ドル円82〜83円レベルでは単独介入を視野に入れて臨むことが必要であろう。
一方、ユーロドルはトリシェECB総裁が、EU圏経済回復が米国経済指標を上回る順調な過程にあると示唆しているが、スペインが資金調達難に陥る可能性とアイルランドの財政問題がギリシャ並みになることも懸念されており、スペインやギリシャの10年物国債とドイツ国債利回り格差が再び拡大、ストレステスト
前の高水準を記録し、EU圏の緊縮財政による経済低迷が指摘されている中、ユーロドルは下落の一途をたどっている。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年8月15(日)
▲ドル円ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.1000乖離幅0.1276→0.1245
A)100÷110.00=0.9091 B)1÷1.2746=0.7846
(A−B=0.1245)
先週の通常の買いシグナル85.50から一時85円割れの展開を見せたが、その後は上昇を速めており、今週は通常の買いシグナル86.30が点灯している。中期チャートにおいては、やや強めの買いシグナルに移行しており、85円前後からの押し目買いに妙味が増している。(売りターゲット87.50〜88.50円)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅22.00円 現状乖離幅 28.10→23.70円
先週の強い売りシグナル1.3287から急落している。今週は弱めの売りシグナル1.2746が点灯している。中期チャートにおいてはポジション解消買いに伴い様子見が点灯しており、一旦は清算局面にある。(買いターゲット1.2500〜1.2600)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅12.00円 現状乖離幅 6.95→9.30円
先週の強い売りシグナル0.9187から下げ足を速めている。今週は通常の売りシグナル0.8922が点灯している。中期チャートにおいても、強めの売りシグナルから通常の売りシグナルに移行しており、0.90台からのナンピン売りに妙味が生じている。(買いターゲット0.8600〜0.8700)
▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅27.00円 現状乖離幅 22.85→22.50円
先週の強めの売りシグナル0.7327から下げ足を速めている。今週は弱めの売りシグナル0.7045が点灯している。中期チャートにおいても強めの売りシグナルからほぼ様子見段階に突入しており、0.6800〜0.7200のレンジ相場を形成している。
(買いターゲット0.6950〜0.7000)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅4.00円 現状乖離幅 2.30→3.45円
先週の買いシグナル1.0276から上昇に転じており、今週は弱めの買いシグナル1.0416が点灯している。中期チャートにおいてはほぼ様子見が点灯しており、1.0100〜1.0500のレンジ相場を形成している。(売りターゲット1.0450〜1.0500)
▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅43.00円 現状乖離幅 50.85→48.15円
先週の強い売りシグナル1.5947から急落しているが、今週も依然として、強めの売りシグナル1.5579が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
(買いターゲット1.5000〜1.5200)
▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅8.00円 現状乖離幅 3.15→4.25円
先週の強い買いシグナル1.0383から上昇を速めているが、今週も引き続き強めの買いシグナル1.0580が点灯している。中期チャートにおいても強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン買いに妙味が生じている。
(売りターゲット1.0900〜1.1000)
▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅14.50円 現状乖離幅 16.00→16.20円
乖離幅が若干拡大しており、短期チャート及び中期チャートにおいては豪ドル売り・NZドル売りが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
18.50→20.15→20.35→19.90→19.70→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→14.10→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→14.80→15.55→16.00→16.20円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、そして、7月平均は199.40円、8月第1週199.15円、8月第2週199.10円、そして、今週はユーロ円110.00+ドル円86.30=196.0円と過去最高レベルに達している。 (目安*205円以下は円売り局面⇔220円以上は円買い局面)
★欧州3大通貨
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離21.00円 現状乖離幅 22.75→24.45円
先週の弱めの買いシグナル0.8331から下げ足を速めており、今週は通常の買いシグナル0.8181が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット0.8400〜0.8450)
▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離30.00円 現状乖離幅 31.25−27.95円
先週の弱めの売りシグナル1.3794から下げ足を速めており、1.360前後ではポジション解消買い伴い、今週は一転して、買いシグナル1.3406が点灯している。中期チャートおいても買いシグナルが点灯しており、1.34割れからの押し目買いに妙味が生じている。(売りターゲット1.3600〜1.3700)
▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離51.00円 現状乖離幅 54.00→52.40円
先週の売りシグナル1.6557から下落しており、今週は弱めの売りシグナル1.6386が点灯している。中期チャートにおいては様子見が点灯しており、1.6200〜1.6700のレンジ相場を形成している。(買いターゲット1.6300〜1.6350)
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