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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

塩漬けポジションには健康食を!

為替相場では想定外の円安局面で笑う人と泣く人の二極化が進んでいる。日々寒さを実感している方も多いようですが、目線を変えることを怠ると塩漬けが待っていますよ。塩漬けとは中高年の病気のようなもので、血圧上昇、コレステロール上昇につながり、いずれは糖尿病、心筋梗塞や脳梗塞状態になる。改善処置が出来るには早めの対処しかないが、自分だけは大丈夫と思った瞬間が始まりでもある。常に健康食を心がける判断が必要であり、相場の基本は小食に限ります。腹一杯のポジションでは身動きが出来なくなりますし、視野も狭まるだけ。筆者自身の戒めでもありますが。。。。
健康食と言えば、筆者が最近はまっている豆腐があるのでご紹介するが、先日昔ながらの豆腐を発見、ご存知の方もいると思うが、名前が「男前豆腐」ともの申す。醤油もいらないほど味とコクが抜群、特に時期的には勧められないが、湯豆腐よりも冷奴をお勧めします。値段も200円前後とお手ごろだが、豆腐を木綿の布でくるんだあたりは、本格派の豆腐といえます。是非、豆腐好きの方とポジション塩漬けの方々にはご賞味願いたい逸品です。!

▲今週は最近の米ドル独歩高を維持できるかが焦点となるが、すでにドル円118円台をクリアーし、ユーロドルに至っては節目と思われた1.19割れも実現している以上は米ドルの底堅い動きが予想される。
正直、先月初めにはドル円の昨年度高値114.88円を目指す動きがあったが、115円を壁にして、円高懸念も優勢であっただけに、1ヶ月足らずで4円近い上昇を見せた勢いにはプロ泣かせの為替相場でもある。ドル円は先週3日に2003年9月半ば以来となる117円台に乗せてからも、依然としては米金利の先高観による米ドル買いが鮮明であるが、心理的にも上値の限界を感じる米ドルでもある。米経済指標も改善と悪化を繰り返す状況では、米ドルに対する信頼感も薄れるが、その不透明感も金利差拡大が払拭してしまう。確かに米ドルが急落する可能性も減少しており、120円をターゲットにした投機筋の動きはあると判断したほうが賢明であろう。
▲米国株式市場の内容を考えても、米経済のインフレ懸念の高まりにも疑念が生じるが、日欧の金利動向は来春までは変化が見られないことも確実視されている段階では、米ドル買いに集約される市場でもある。一時は中東をはじめ、ブリックスと言われる中国やロシアも分散投資には米ドル以外の通貨にも当てられ、米ドル離れも考えられたが、原油、金相場の高騰が沈静化することにより、米ドルへの依存度が金利上昇により、確実に高まっていることを意味している。
▲日欧も今回の米ドル独歩高により、円安・ユーロドル安が経済成長の基盤構築にもつながり、少なからずとも米ドル高の恩恵を受けている。
しかしながら、今週発表される米貿易赤字も600億ドル台と相変わらす膨大な貿易赤字を示すであろうが、市場の関心が米ドル金利に向かっており、為替相場に対する影響も限定的と見るべきであろう。米国にとっては、人民元の切り上げ問題が片付かない限りは、米国主導の為替相場を維持する必要もあり、少なくともFRB議長の交代時期まで利上げが継続されると4.75%〜5%までの上昇も視野に入る。依然として、金利差拡大観測が予測される以上は米ドルの底堅さは解消できない。
●常に貿易不均衡を掲げている米国が、米ドル高を放置する図式にも限界が生じることは間違いないが、インフレ懸念の金利上昇と貿易不均衡の米ドル安の両立は不可能と見れば、金利優先の相場感が継続されるのが今の相場と言える。急落も怖いが、落ちるまでは買い続ける勇気も必要。
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*********今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
極端な円安進行が相場の歪みを併発している。かなり神経質な展開だけに米ドル主導の為替だけに、ポジションを少なめにし、中期的な視野で取り組むことが必要である。相対的にも米ドルの転換期と思えるほどの様変わりでもあり、当面は慎重な取引を優先すべきである。
▲ドル円
円安が急ピッチに進んでいる。相場の転換期に達している可能性も強く、120円までの様子見も踏まえて、少なめのドル円売りを推奨する。ドル円118.30では断続的な売り局面続行中。中期的に見れば売り局面であるが、売りスパンを拡大して臨むことを勧める。
▲ユーロドル (平均乖離幅28円)±5円 現状の乖離幅 21.95円
先週よりも更に乖離幅が縮小し、ユーロドル買い1.1815に興味津々と言える。
直近の乖離幅は以下のとおり。
24.25円→23.70円→22.60円→23.95円→21.50円となれば、リスク限定で買い場面。
▲豪ドル・NZドル(平均乖離幅 豪ドル26円・NZドル33円)
豪ドルの乖離幅も31.55に急拡大しており、円の独歩安が鮮明、0.7333の買いを推奨する。NZドルも乖離幅が許容範囲を越えており、37.45円となれば豪ドル同様に0.6834には安値感が漂う。
▲ポンド(平均乖離17円) 現状の乖離26.10から29.50円まで急拡大。
前回は利益確定の機会も生じたが、再び1.75前後まで押し戻された。1.7506の買いを推奨する。
▲カナダドル(平均乖離幅 18円)現状乖離幅18.05円
平均乖離幅近辺で細かい値動き。売り買いの基準範囲に収まっており、模様眺め状態。
▲豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均乖離基準値6.50)現状乖離幅 6.00円
乖離幅が縮小5.30まで達したが、逆戻りの6.00円では動きが取れない。様子見が正解。6.85→6.30→5.30円となれば、反対取引のゾーンに接近中。
豪ドル円買い86.70+NZ?円売り81.40であればリスクも限定的。少なめからのスタートを推奨する。5円割れが生じれば、強気な裁定取引に移行できる。
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▲ドル円+ユーロ円『単純加算方式採用』9月までの上限252を軽く突破
今年度9月までの上限レベルを大幅に超えてきている。ドル円118.30+ユーロ円139.80=258.10円と達成感を感じる、260円なら黙っても売りたい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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