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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

為替スランプ病&ゴルフシャンク病

最近はPCの前に費やす時間が長くなっている。外出するにも車とバイクを併用しており、運動不足を補うためにと、昨日は久しぶりにゴルフの練習に出かけたが、平日でも混雑して待ち時間があるのはびっくりさせられたが、景気が良くなったのだろうかと錯覚しますね。練習している人たちの顔ぶれを見ると、奥様族とお年寄りが圧倒的に多くなっている。一つの社交場のようなものだが、最近のお年寄りはゲートボールを嫌がる傾向があると聞く、好きなスポーツを自分でエンジョイできればいいが、ゲートボールはチームプレイでもあり、複雑な人間関係が邪魔をするらしいが、年寄りくさいと言われることも嫌うのが年寄りでもある。
ゴルフも実践から離れて、2年も経過すると、イメージばかりが強く,勇んで打って見たものの、いきなり『グシャ』と言う不気味な音と共に、右45度方向へ飛び出すボール、いわゆる“シャンク”である。結局シャンク修正のために100球近く費やしてしまって、ストレス発散のつもりが逆効果状態に。俗にシャンクが出るとゴルフも上達したとお褒めの言葉をいただくが、現実は厳しく、原因を追求はするが明確な答えはなく、小手先の修正で終るため、次回も悩まされる日が必ず訪れる。プロは一度出れば即修正可能であるがアマチュアにはよき指導者もおらず、自己診断で終るため軌道修正はなかなか捗らないのが現実ですね。
▼為替の世界で言えばゴルフのシャンクは為替の“スランプ”状態、これしかないと思った売りも、買いも逆方向へ、塩漬けポジションの始まりでもある。即効薬は見つからない。大ケガをする前に休養が一番なのだが、かえって熱くなり、ナンピンの連続で収拾がつかなくなる。そして、諦めるに諦めきれず、一攫千金を夢見て、ギャンブル勝負となる!
▼ 為替のプロにきいても、返事は “すぐやめなさい”と言われるだけで解決策はありませんが、休養することが一番です。熱くなると結果は良いことはないが、3回でも5回でも連続して負けても、はっきりした原因が追求でき、修正可能の範囲であれば、今後の糧になることであり、目を瞑るしかないと次の戦略を考えることが出来る。為替もゴルフもリスクはあるが、質が大分違いますね。ゴルフのシャンクは他人にケガさせる恐れもある事故責任であるが、為替のスランプは損しても自己責任ですね。
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スノー米財務長官の強硬路線とも思わせる発言には疑問を感じるところであるが、他国の問題にこれだけ干渉する姿勢は米経済の不透明さを浮き彫りにしていることにもなる。これだけ強気なコメントが繰り返されても、従うのは日本政府のみであろうが、巨額な米貿易赤字も他国の経済成長や為替改革の遅れが原因でもあり、そして中国人民元の切り上げ時期を6ヶ月以内と言明するような、確固たる自信はどこから湧き出てくるのか疑問を感じるところである。裏を返せば米経済の焦りが脅しに変化したのかと思わせるような発言である。

日銀の介入懸念に関しても論じられたようだが、現状では特に話題にするようなドル円レベルでもなく、不可思議な感は否めないが、今後実施される人民元の切り上げを継続的に推し進めたいことを意味するのであろうが、その障害を取り除くためには早めの牽制と判断するが、ドル円の介入操作が段階的な人民元の切り上げには障害になると言う考えでもあるが、米国としては米ドル安を促進させるには円高シナリオも絶対条件なのかもしれない。いずれにしても人民元が暗礁に乗りかかっている状況ではドル円のレンジ相場はまだまだ続くと見たほうが賢明であり、108円前後の攻防が有力だが、上値の限界を念頭に対処することを勧める。
★ユーロ?の雲行きが怪しく、ユーロ経済の低迷と同時にフランス国民選挙の世論調査でEU憲法の否決観測が強まっている状況下では、ユーロ?のロングは推奨できないが、リスクの許容範囲だけを考慮すれば、下落基調が続いているユーロドルだけに、未だ買戻しのチャンスを窺う投機筋も多く、1.25割れが実現した段階でストップロスやオプショントリガーの懸念も薄まり、たとえEU憲法が否決されても急落と判断するにはリスクが大きすぎる。結果はどうであれ、ユーロ?の上値は重く、1.26までの上昇は期待できないが、ユーロドル買いの逆張りに妙味があると判断する。1.25前後のロングでストップロスを1.2450に設定、または1.250前半から半ばのショートで選挙の結果を待つ戦略に絞るか、大きく動いた後の反動期待の売買に徹するかであろう。リスクを最小限に考えての売買思考に徹することを勧める。簡単ではないこと確実であり難易度もA級です。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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